akのもろもろの話

大人の漫画読み

本/「羆嵐(くまあらし)」吉村昭 人間はもっと自然への畏敬の念を持たねばね

「羆嵐」は1977年に刊行された吉村昭の小説 1915年(大正4年)に、北海道苫前群苫前村三毛別六線沢の開拓村をヒグマが襲った「三毛別羆事件」がモデルになっている (吉村昭「羆嵐」) 北海道苫前村六線沢の開拓集落の一つ、島川家がヒグマに襲われ妻と9才…

漫画/「邪眼は月輪に飛ぶ」藤田和日郎 これは名作なんですよ

藤田和日郎は、フジタワビロウではなくフジタカズヒロって読むんだよ。 「邪眼は月輪に飛ぶ」(じゃがんはがちりんにとぶ)は2007年に週刊ビックコミックスピリッツに連載された漫画。単行本一巻完結もの。 唐突でございますが、久米田康治の「かくしごと」…

漫画/「望郷太郎」⑦ 山田芳裕(ネタバレ)貨幣を制する者が天下を制す

大寒波に襲われた地球で、人工冬眠から五百年後に目覚めてみれば、世界は滅亡してた・・・イラクから祖国日本へ、シベリア鉄道を歩いて目指す元商社マン舞鶴太郎。 五百年後の世界に生き残った男が、人類がたどって来た遥かな旅路を目撃する、奇跡体験!アン…

映画/「野火」おぞましい映画です。戦争は嫌です。

「野火」は、1959年に市川崑監督により映画化された大岡昇平の同名小説が、 2014年に塚本晋也監督、脚本、製作、主演により再び映画化されました (「野火」2014年/塚本晋也監督/87分) こういう時期ですから戦争映画を観てみましたよ。 何か食いながら読ま…

本/「街道をゆく 42 三浦半島記」司馬遼太郎 鎌倉殿の13人を見てるといっそう楽しめます

「街道をゆく」は司馬遼太郎による紀行文集。 街道・みち、すなわち交通に着目し、その土地の歴史を独自の視点で語るシリーズの42は、三浦半島の巻。 そこには源頼朝と伊豆、房総、そして三浦半島の武士たちとの出会いがあったんだよねー (司馬遼太郎「街…

漫画/「狼の口 ヴォルフスムント」久慈光久 トラウマ級の人が死ぬ漫画

「狼の口 ヴォルフスムント」は2009年~2016年まで連載された、中世のスイスを舞台にした漫画。 残虐な拷問シーンや最初から最後まで延々と人がムッコロされ続ける、心が弱い人は読んではいけない作品。 (久慈光久「狼の口ヴォルフスムント」全8巻…

漫画/「ここは今から倫理です。」⑦ (ネタバレ)天瀬シオリ ついに人類永遠の課題、なぜ、人を殺してはいけないのか・・・?

「ここは今から倫理です。」は、倫理を教える高柳先生が、今時の高校生たちのお悩みに独特のスタンスで向かい合う教師物語。 (天瀬シオリ「ここは今から倫理です。」7巻) 毎日毎日暑いですが、6月に発売した「ここは今から倫理です。」7巻の感想を、今…

映画/「人間の証明」母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?

人間の証明は1977年の日本映画。 森村誠一の同名小説を映画化した作品。 日本とニューヨークを舞台に繰り広げられるサスペンス。 (「人間の証明」佐藤純彌監督/1977年/132分) まずはふわっとしたあらすじですが、東京赤坂のロイヤルホテルでは今まさに…

本/「雪の花」吉村昭 こんなにご苦労されたとは

雪の花は吉村昭が1988年に発表した小説 江戸末期に天然痘の予防に力を尽くした笠原良策が主人公 福井藩の町医者である良策が27才~40代まで戦った保守的な地域の天然痘ワクチン接種忌避問題 天然痘は伝染力が非常に強く死に至る疫病として人々から恐…

漫画/「バジリスク ~甲賀忍法帖~」原作山田風太郎 漫画せがわまさき 作中最強は誰だ!?

「バジリスク~甲賀忍法帖~」は2003年から2004年に連載された漫画 原作は1958年に発表された山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」 (せがわまさき「バジリスク甲賀忍法帖」全5巻) 山田風太郎は戦後日本を代表する流行作家ですが、思うにこの方の小…