akのもろもろの話

大人の漫画読み

本/「夜を賭けて」梁石日 感想

梁石日(ヤン・ソギル)は1936年、大阪に在日朝鮮人二世として生まれまして、代表作である「血と骨」で描かれた通りの壮絶な少年時代を送りました。 22才の時、旧陸軍大阪造兵廠(ぞうへいしょう)跡の鉄屑掘りで勇名を轟かせた集団「アパッチ族」に参加し、…

漫画/「ひとりでしにたい」⑤カレー沢薫 感想

悠々自適な老後を過ごしていたはずの伯母がまさかの孤独死。 ひとりでも潔く生きるために、鳴海(35才独身女性)は自ら終活を始める。 そもそも終活とは何をどうすればよいのか?これが難題である。 若いうちからしっかり準備するために、面白くてためになる…

本/「聖の青春」大崎善生 感想

「聖の青春」(さとしのせいしゅん)は将棋棋士・村山聖の一生を描いた、2000年に刊行されたノンフィクション小説 (村山聖/1969年~1998年/将棋棋士) まず初めに、わたくし将棋は、子供の頃にお父さんに駒の並べ方を教わった程度ですが、この作品は将棋の知…

漫画/「東京ヒゴロ」松本大洋 感想

「東京ヒゴロ」はビックコミックオリジナル増刊号で連載中の松本大洋氏の最新作。 9月30日に第2集が発売してますので感想をしたためておきませう。 (松本大洋「東京ヒゴロ」既刊2巻) 漫画家が描く漫画業界の漫画って、たいてい面白いんですよね。 こ…

漫画/「サターンリターン」➆(ネタバレ)鳥飼茜 

加治理津子(30才)は5年前のデビュー作以来、新作が書けない小説家。 自死直前に8人の女にプロポーズしていた男友達・アオイの謎を追う。 でもでも、一番の謎はアンタ自身だよ! (鳥飼茜「サターンリターン7巻」) 本来わたしたちは色々な顔を持っている…

漫画/「アドルフに告ぐ」手塚治虫 もう一度読みたい名作漫画

1936年8月、ベルリンオリンピック。 歴史に残る棒高跳び決勝が行なわれている頃、ベルリン大学近くの下宿で一人の日本人留学生が殺された。 アドルフ・ヒットラーの出生にまつわる、ある秘密を握ったからだ。 (手塚治虫「アドルフに告ぐ」) この物語には3…

漫画/「カラオケ行こ!」和山やま(ネタバレ)感想

ある日漫画界に彗星のごとく現れた感じがする和山やま氏 の2020年に刊行されたコミックス。 絶対に歌がうまくなりたいヤクザと 歌を教える事になった中学生との 奇妙な友情? (和山やま「カラオケ行こ!」全1巻) 森岡中学校合唱部の部長・岡聡美は、合唱…

漫画/「たそがれたかこ」入江喜和 45才バツイチ女性のときめき

「たそがれたかこ」は2013年~2017年まで「BE・LOVE」にて連載された、中年女性の人生を描いた漫画。 (入江喜和「たそがれたかこ」全10巻) あたくし漫画のジャンルは幅広く読もうとは思ってるのですが、どうもラブコメとファンタジーものは食指が動きません…

漫画/「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ(ネタバレ)残された人は生き続けるしかない

「マイ・ブロークン・マリコ」はコミックス一巻完結もの。 主人公の女性が親友の遺骨を抱いて旅に出る話で、ちょっとロードムービーっぽい。 と思ってたら、実写映画化されたんだね。 (平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」) シイノトモヨ(26才・OL)…

本/「星の子」今村夏子 子供の世界はとても悲しい

「星の子」は、「むらさきのスカートの女」で芥川賞を授賞した今村夏子の2017年の長編小説。 病弱な娘を救いたい一心から両親が新興宗教にのめり込み、次第に崩壊していく家庭を、娘の視点で描いている。 (今村夏子「星の子」) ちひろは、生まれた時に体が…