akのもろもろの話

大人の漫画読み

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年、生きるって大変ね~と思った話

年末ですね。 今年も残すところわずかになりましたね。 自分という人間の2022年を振り返ってみますと、4月から職場が異動になりコミュ障には難度の高い仕事を仰せつかりましてね、合わせて引っ越しもしましたんで、慣れない環境のせいかストレスなのかわか…

漫画/「末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる」ひるなま 感想

2021年に単行本化された「末期ガンでも元気です 38才エロ漫画家、大腸ガンになる」は、末期の大腸ガンを宣告されてからのエピソードを綴った超ポジティブな闘病記。 作者はBLを執筆していた漫画家です。 つい最近YouTubeのおすすめにこの漫画が急に出て来た…

漫画/「ヴラド・ドラクラ」6巻 大窪晶与 (ネタバレ)感想

「吸血鬼ドラキュラ」のモデルで「串刺し公」と恐れられた暴君・ヴラド3世の真実に迫る歴史漫画。 第6巻読みました! (大窪晶与「ヴラド・ドラクラ」6巻) 舞台は15世紀中期のヨーロッパなのです。 ヴラド3世のワラキア公国(現・南ルーマニア)は、南にオ…

漫画/「へうげもの」山田芳裕 感想

「へうげもの」は2005年から2017年まで「モーニング」で連載されました。 主人公の古田織部は戦国から江戸時代にかけて生きた武将でして、千利休の弟子でもあった茶人です。 茶人て言うからシブいお人を想像してると全然違くて、もーねー腹がチギレるほど面…

漫画/「作りたい女と食べたい女」ゆざきさかおみ 感想

チョット体調不良で更新出来なかったです。 もう年なので少し仕事するだけで疲れて回復に時間がかかってしまうのですがな。 冴えんなあ。 さて「作りたい女と食べたい女」読んでみました。 料理好きでたくさん作りたい女性と、食べることが好きでとにかくた…

本/「熱源」川越宗一 感想

「熱源」は第162回直木賞受賞作。 樺太アイヌの闘いと冒険を描いた群像劇ですが、主たる登場人物は二人。 アイヌのヤヨマネクフとポーランド人のブロニスワフ・ピウスツキです。 (川越宗一「熱源」) アイヌは北海道にだけ住んでいたわけではないんですよ …

映画/「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」懐かし映画感想

アマプラで懐かし映画を観ちゃいました。 2008年の韓国映画「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」です。 (「アンティーク西洋骨董洋菓子店」2008年/韓国/ミン・ギュドン監督/111分) これはよしながふみの漫画「西洋骨董洋菓子店」が原作でして、日本ではタ…

漫画/「コーポ・ア・コーポ」⑤ 岩浪れんじ (ネタバレ)感想

大阪のとあるボロアパートに暮らす訳ありの人々の日常を描いた漫画「コーポ・ア・コーポ」は読むと癖になるかもしれませんよ。 今月発売の➄巻読みました! (岩浪れんじ「コーポ・ア・コーポ」5巻) 実写映画化決定とな! 川のほとりに建つ、築年数43年の二…

漫画/「超人X」④ 石田スイ (ネタバレ)感想

「超人X」はウェブサイト「となりのヤングジャンプ」にて、2021年5月から連載中の漫画。 「東京喰種」の作者が描く異能バトルアクション! (石田スイ「超人X」4巻) 「東京喰種」大ヒットしましたが、作者の人はその後どうしてたかと言うと、3年位ゲー…

本/「贅沢貧乏のマリア」群ようこ

1987年に84歳で亡くなった作家の森茉莉は文豪・森鴎外の娘。 軽妙な語り口のエッセイを書く群ようこが1996年に発表した、森茉莉の生涯を辿った伝記小説。 (森茉莉 1903年~1987年 小説家・エッセイスト) 森家の長女として生まれた茉莉は蝶よ花よと育てられ…

漫画/「ひらやすみ」④ 真造圭伍(ネタバレ)感想

阿佐ヶ谷の古い一軒家でのスローライフを描いた日常系漫画。 2021年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の「ひらやすみ」4巻読みました。 (真造圭伍「ひらやすみ」4巻) 「ひらやすみ」は気になる漫画である。 なぜなら主人公のヒロトが単なるのん…

漫画/「牧神の午後」山岸涼子 もう一度読みたい名作漫画

「牧神の午後」は1989年に発表された山岸涼子の漫画です。 20世紀初頭、バレエ・リュスの創成期に活躍した天才バレエダンサー、ニジンスキーの悲劇の生涯が描かれてます。 (山岸涼子「牧神の午後」) さてニジンスキーです。 そしてバレエ・リュスですよ。 …

漫画/「神々の山嶺」感想 作・夢枕獏 画・谷口ジロー

神々の山嶺(かみがみのいただき)は、夢枕獏による原作小説を谷口ジローが漫画化。 2021年、谷口ジロー好きなフランスでアニメ化されて、今年日本公開されたざんす。 (作・夢枕獏 画・谷口ジロー「神々の山嶺(いただき)」既刊5巻) わざわざ説明するまで…

本/「夜を賭けて」梁石日 感想

梁石日(ヤン・ソギル)は1936年、大阪に在日朝鮮人二世として生まれまして、代表作である「血と骨」で描かれた通りの壮絶な少年時代を送りました。 22才の時、旧陸軍大阪造兵廠(ぞうへいしょう)跡の鉄屑掘りで勇名を轟かせた集団「アパッチ族」に参加し、…

漫画/「ひとりでしにたい」⑤カレー沢薫 感想

悠々自適な老後を過ごしていたはずの伯母がまさかの孤独死。 ひとりでも潔く生きるために、鳴海(35才独身女性)は自ら終活を始める。 そもそも終活とは何をどうすればよいのか?これが難題である。 若いうちからしっかり準備するために、面白くてためになる…

本/「聖の青春」大崎善生 感想

「聖の青春」(さとしのせいしゅん)は将棋棋士・村山聖の一生を描いた、2000年に刊行されたノンフィクション小説 (村山聖/1969年~1998年/将棋棋士) まず初めに、わたくし将棋は、子供の頃にお父さんに駒の並べ方を教わった程度ですが、この作品は将棋の知…

漫画/「東京ヒゴロ」松本大洋 感想

「東京ヒゴロ」はビックコミックオリジナル増刊号で連載中の松本大洋氏の最新作。 9月30日に第2集が発売してますので感想をしたためておきませう。 (松本大洋「東京ヒゴロ」既刊2巻) 漫画家が描く漫画業界の漫画って、たいてい面白いんですよね。 こ…

漫画/「サターンリターン」➆(ネタバレ)鳥飼茜 

加治理津子(30才)は5年前のデビュー作以来、新作が書けない小説家。 自死直前に8人の女にプロポーズしていた男友達・アオイの謎を追う。 でもでも、一番の謎はアンタ自身だよ! (鳥飼茜「サターンリターン7巻」) 本来わたしたちは色々な顔を持っている…

漫画/「アドルフに告ぐ」手塚治虫 もう一度読みたい名作漫画

1936年8月、ベルリンオリンピック。 歴史に残る棒高跳び決勝が行なわれている頃、ベルリン大学近くの下宿で一人の日本人留学生が殺された。 アドルフ・ヒットラーの出生にまつわる、ある秘密を握ったからだ。 (手塚治虫「アドルフに告ぐ」) この物語には3…

漫画/「カラオケ行こ!」和山やま(ネタバレ)感想

ある日漫画界に彗星のごとく現れた感じがする和山やま氏 の2020年に刊行されたコミックス。 絶対に歌がうまくなりたいヤクザと 歌を教える事になった中学生との 奇妙な友情? (和山やま「カラオケ行こ!」全1巻) 森岡中学校合唱部の部長・岡聡美は、合唱…

漫画/「たそがれたかこ」入江喜和 45才バツイチ女性のときめき

「たそがれたかこ」は2013年~2017年まで「BE・LOVE」にて連載された、中年女性の人生を描いた漫画。 (入江喜和「たそがれたかこ」全10巻) あたくし漫画のジャンルは幅広く読もうとは思ってるのですが、どうもラブコメとファンタジーものは食指が動きません…

漫画/「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ(ネタバレ)残された人は生き続けるしかない

「マイ・ブロークン・マリコ」はコミックス一巻完結もの。 主人公の女性が親友の遺骨を抱いて旅に出る話で、ちょっとロードムービーっぽい。 と思ってたら、実写映画化されたんだね。 (平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」) シイノトモヨ(26才・OL)…

本/「星の子」今村夏子 子供の世界はとても悲しい

「星の子」は、「むらさきのスカートの女」で芥川賞を授賞した今村夏子の2017年の長編小説。 病弱な娘を救いたい一心から両親が新興宗教にのめり込み、次第に崩壊していく家庭を、娘の視点で描いている。 (今村夏子「星の子」) ちひろは、生まれた時に体が…

漫画/「アンダーニンジャ」⑧ 花沢健吾(ネタバレ)この先どうなるのかまったくわかりませんな

実は忍者は今でも存在していて、秘密裏に暗躍している。 現代に生きる忍者奇譚「アンダーニンジャ」8巻読みました。 (花沢健吾「アンダーニンジャ」8巻) 前巻まで アンダーニンジャ側についた猿田による講談高校での虐殺が始まる。 鬼首と鈴木が迎え撃ち…

漫画/「ヴィンランド・サガ」幸村誠 本当の強さとは何か

「ヴィンランド・サガ」は、11世紀初めの北ヨーロッパを舞台にした、当時世界を席巻していたヴァイキングの生き様を描いた歴史漫画。 タイトルの「ヴィンランド」とは、かつて北アメリカ大陸にあったとされるヴァイキングの入植地の一つで、主人公のトルフィ…

本/「羆嵐(くまあらし)」吉村昭 人間はもっと自然への畏敬の念を持たねばね

「羆嵐」は1977年に刊行された吉村昭の小説 1915年(大正4年)に、北海道苫前群苫前村三毛別六線沢の開拓村をヒグマが襲った「三毛別羆事件」がモデルになっている (吉村昭「羆嵐」) 北海道苫前村六線沢の開拓集落の一つ、島川家がヒグマに襲われ妻と9才…

漫画/「邪眼は月輪に飛ぶ」藤田和日郎 これは名作なんですよ

藤田和日郎は、フジタワビロウではなくフジタカズヒロって読むんだよ。 「邪眼は月輪に飛ぶ」(じゃがんはがちりんにとぶ)は2007年に週刊ビックコミックスピリッツに連載された漫画。単行本一巻完結もの。 唐突でございますが、久米田康治の「かくしごと」…

漫画/「望郷太郎」⑦ 山田芳裕(ネタバレ)貨幣を制する者が天下を制す

大寒波に襲われた地球で、人工冬眠から五百年後に目覚めてみれば、世界は滅亡してた・・・イラクから祖国日本へ、シベリア鉄道を歩いて目指す元商社マン舞鶴太郎。 五百年後の世界に生き残った男が、人類がたどって来た遥かな旅路を目撃する、奇跡体験!アン…

映画/「野火」おぞましい映画です。戦争は嫌です。

「野火」は、1959年に市川崑監督により映画化された大岡昇平の同名小説が、 2014年に塚本晋也監督、脚本、製作、主演により再び映画化されました (「野火」2014年/塚本晋也監督/87分) こういう時期ですから戦争映画を観てみましたよ。 何か食いながら読ま…

本/「街道をゆく 42 三浦半島記」司馬遼太郎 鎌倉殿の13人を見てるといっそう楽しめます

「街道をゆく」は司馬遼太郎による紀行文集。 街道・みち、すなわち交通に着目し、その土地の歴史を独自の視点で語るシリーズの42は、三浦半島の巻。 そこには源頼朝と伊豆、房総、そして三浦半島の武士たちとの出会いがあったんだよねー (司馬遼太郎「街…