漫画
「マンガ大賞2023」受賞ということで4月発売の3巻の感想をなんとなく書いときます。 (とよ田みのる「これ描いて死ね」3巻) ゆうてこの絵柄を見ただけで普段なら絶対買わんと思ふね。 舞台は伊豆王島という東京の離島でしてね、主人公の安海相(やすみあ…
1936年(昭和11年)2月26日、日本を揺るがす未曽有のクーデター未遂事件「二・二六事件」が勃発しました。 陸軍の「皇道派」に属する青年将校22人が約1500人の部隊を率いて武力蜂起したのです。 (能條純一「昭和天皇物語」12巻) 二・二六事件の背景にあっ…
ある日土屋茜(40才・主婦)は、中学時代の学習塾の講師だった今井先生が彫刻家になっていることを知ります。 彼が発表した「少女像」という作品は、茜の中学時代の親友・川瀬紫(ゆかり)の姿にそっくりに見えました。 26年も前の、紫の姿と苦い記憶が、茜…
好むと好まざるとに関わらず、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは動物の権利を求めるヴィーガンテロリスト集団「動物解放同盟(ALA)」との戦いに巻き込まれてゆくわけです。 アニマルライツ(動物の権利)とは、動物には人間から…
手塚治虫が70年代に描いた「ばるぼら」はインモラルな匂いのする大人の漫画です。 主人公の美倉洋介がバルボラと出会う書き出しからして良いのだ。 都会が何千万という人間を飲み込んで消化し、 垂れ流した排泄物のような女 それがバルボラ 私が彼女に遭った…
仲良しのママ友の有紀ちゃんがある日突然いなくなってしまったのです。 子供を同じ保育園に通わせるママ友の4人。 春ちゃん、ヨリちゃん、友ちゃん、有紀ちゃんと呼び合う仲良しグループに思いもかけない事件が勃発。 失踪か?家出か?有紀ちゃんに何があっ…
今回ご紹介しますのは、岩明均が「ヒストリエ」に先がけて2001年から2002年に描いた歴史漫画「ヘウレーカ」です。 さて「ヘウレーカ」とは、シチリア島シラクサのヒエロン2世から金の王冠の純度を調べるよう命じられたアルキメデスが、風呂に入って湯が溢れ…
2017年にこの漫画の連載がビックコミックオリジナルで始まった時、正直あまり読む気持ちが起こらなかったものです。 天皇が主人公の漫画って画期的な気もするけど学校の教科書みたいな内容だったり単なる伝記だったらつまらないなと思いました。 しかし能條…
世界中の超巨大企業にテロを仕掛ける謎の組織「ダーウィンクラブ」。 クラブの人間に取り入り組織への潜入を目指す元警察官・石井大良(たいら)は言われるがまま爆弾を運んでしまう。 クラブに認められた大良の元に1枚のカードが届いた・・・・ (朱戸アオ…
今回取り上げますのはあたしの大好きな漫画「シグルイ」でございます。 「シグルイ」は2003年から2010年に連載されたのですが久し振りに再読したらやっぱ面白いですねえ。 この作品の特徴でもある残酷な描写がかなり好き嫌いが分れるかもしれませんが。 (山…
のどかな田園が広がる限界集落にてイチジク農園を営む泉圭太のもとに14年前に女子大生ストーカー殺人を犯した元受刑者が現れます。平穏な町に響き始めた不協和音は徐々に拡大していくのです。 (筒井哲也「ノイズ」全3巻) いきなりですが、ぶっちゃけ筒井…
東の村で生まれた夜と昼を分かつ双子は夜に生まれた兄はユル朝に生まれた妹はアサです。しかしユルがアサだと思っていたのは偽物で私こそ本物とアサを名乗る娘に村を襲われ平穏だった生活は終わりを告げます。左右様を従えツガイ使いとなったユルは下界でデ…
BL誌から青年誌に移籍した経歴を持つちょっと珍しいタイプの競技ダンス漫画「10DANCE(テンダンス)」です。ほぼ2年振りに新刊の➆巻が発売されたのでなんとなく感想をしたためる次第ですが、考えたらこの作品ももう10年位連載してるはずですが2人が出会って…
川辺に舫った舟で暮らす見世物一座の5人はお父さんと昭助兄さんと清子さん、そして和郎(かずお)と桜です。お父さんは下駄屋で生まれたという人と牛のあいのこ「くだん」の噂を聞き買い取って仲間に加えようと一座を連れ岩国までやって来ます。 しかし未来…
松下村塾の当時の松陰は27才くらいの書生であり藩の罪人であり実家の杉家に禁錮中の身で外出の自由もありませんでした。 その松陰がなぜそれほど松下村塾の門下生たちにやがては長州藩にそして社会に影響を与えるようになったのでしょうか?うむむ吉田松陰の…
よくぞここまで戦ったものです。 幕末の動乱期に生まれた幕府歩兵隊はまさに最新の銃で武装した洋式軍隊でしたが、水戸の天狗党やら長州の奇兵隊やらと戦うもまあろくな戦果も挙げぬうちに幕府が瓦解してしまいます。 もはや総大将の徳川慶喜公も上野のお山…
古い話で恐縮ですが、ポスト24年組のひとりたらさわみちには「バイエルンの天使」という代表シリーズがありますが、竹宮恵子がウイーン少年合唱団の大ファンだったのは有名な話ですから彼女のアシスタントをしていたたらさわが少年合唱団の漫画を描いたの…
1980年に発売された木原敏江の漫画 木原敏江といえば少女漫画誌「LaLa」の黄金期を支えた「摩利と新吾」、これはもう間違いなく不朽の名作ですが、和洋問わずの世界観で他にも素晴らしい作品が数多あるのです。 幻想ロマンといったスタイルの本格時代ものも…
イノサンは井野さんではなく英語のイノセント(無垢)の事で、主人公のシャルル=アンリ・サンソン(実在)はムッシュー・ド・パリ(フランスの死刑執行人の頭領を表す称号)を務めた4代目サンソン家当主です。 「イノサン」が全9巻「イノサンRouge」が全12巻…
大学時代「特美研」という特撮愛好サークルに所属していた男。 かつての仲間の訃報を受け、自分が死んだら自分のスーツを皆の手で裁断してほしいという遺言にメンバーは再会する。 特撮にのめり込むあまり危険で実用性の高いヒーロースーツ「劇光服」を制作…
年末ですね。 今年も残すところわずかになりましたね。 自分という人間の2022年を振り返ってみますと、4月から職場が異動になりコミュ障には難度の高い仕事を仰せつかりましてね、合わせて引っ越しもしましたんで、慣れない環境のせいかストレスなのかわか…
2021年に単行本化された「末期ガンでも元気です 38才エロ漫画家、大腸ガンになる」は、末期の大腸ガンを宣告されてからのエピソードを綴った超ポジティブな闘病記。 作者はBLを執筆していた漫画家です。 つい最近YouTubeのおすすめにこの漫画が急に出て来た…
「吸血鬼ドラキュラ」のモデルで「串刺し公」と恐れられた暴君・ヴラド3世の真実に迫る歴史漫画。 第6巻読みました! (大窪晶与「ヴラド・ドラクラ」6巻) 舞台は15世紀中期のヨーロッパなのです。 ヴラド3世のワラキア公国(現・南ルーマニア)は、南にオ…
「へうげもの」は2005年から2017年まで「モーニング」で連載されました。 主人公の古田織部は戦国から江戸時代にかけて生きた武将でして、千利休の弟子でもあった茶人です。 茶人て言うからシブいお人を想像してると全然違くて、もーねー腹がチギレるほど面…
チョット体調不良で更新出来なかったです。 もう年なので少し仕事するだけで疲れて回復に時間がかかってしまうのですがな。 冴えんなあ。 さて「作りたい女と食べたい女」読んでみました。 料理好きでたくさん作りたい女性と、食べることが好きでとにかくた…
大阪のとあるボロアパートに暮らす訳ありの人々の日常を描いた漫画「コーポ・ア・コーポ」は読むと癖になるかもしれませんよ。 今月発売の➄巻読みました! (岩浪れんじ「コーポ・ア・コーポ」5巻) 実写映画化決定とな! 川のほとりに建つ、築年数43年の二…
「超人X」はウェブサイト「となりのヤングジャンプ」にて、2021年5月から連載中の漫画。 「東京喰種」の作者が描く異能バトルアクション! (石田スイ「超人X」4巻) 「東京喰種」大ヒットしましたが、作者の人はその後どうしてたかと言うと、3年位ゲー…
阿佐ヶ谷の古い一軒家でのスローライフを描いた日常系漫画。 2021年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の「ひらやすみ」4巻読みました。 (真造圭伍「ひらやすみ」4巻) 「ひらやすみ」は気になる漫画である。 なぜなら主人公のヒロトが単なるのん…
「牧神の午後」は1989年に発表された山岸涼子の漫画です。 20世紀初頭、バレエ・リュスの創成期に活躍した天才バレエダンサー、ニジンスキーの悲劇の生涯が描かれてます。 (山岸涼子「牧神の午後」) さてニジンスキーです。 そしてバレエ・リュスですよ。 …
神々の山嶺(かみがみのいただき)は、夢枕獏による原作小説を谷口ジローが漫画化。 2021年、谷口ジロー好きなフランスでアニメ化されて、今年日本公開されたざんす。 (作・夢枕獏 画・谷口ジロー「神々の山嶺(いただき)」既刊5巻) わざわざ説明するまで…