akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画

漫画/「ノイズ」筒井哲也(ネタバレ)感想

のどかな田園が広がる限界集落にてイチジク農園を営む泉圭太のもとに14年前に女子大生ストーカー殺人を犯した元受刑者が現れます。平穏な町に響き始めた不協和音は徐々に拡大していくのです。 (筒井哲也「ノイズ」全3巻) いきなりですが、ぶっちゃけ筒井…

漫画/「黄泉のツガイ」③ (ネタバレ)感想

東の村で生まれた夜と昼を分かつ双子は夜に生まれた兄はユル朝に生まれた妹はアサです。しかしユルがアサだと思っていたのは偽物で私こそ本物とアサを名乗る娘に村を襲われ平穏だった生活は終わりを告げます。左右様を従えツガイ使いとなったユルは下界でデ…

漫画/「10DANCE(テンダンス)」井上佐藤 感想

BL誌から青年誌に移籍した経歴を持つちょっと珍しいタイプの競技ダンス漫画「10DANCE(テンダンス)」です。ほぼ2年振りに新刊の➆巻が発売されたのでなんとなく感想をしたためる次第ですが、考えたらこの作品ももう10年位連載してるはずですが2人が出会って…

漫画/「五色の舟」近藤ようこ 感想

川辺に舫った舟で暮らす見世物一座の5人はお父さんと昭助兄さんと清子さん、そして和郎(かずお)と桜です。お父さんは下駄屋で生まれたという人と牛のあいのこ「くだん」の噂を聞き買い取って仲間に加えようと一座を連れ岩国までやって来ます。 しかし未来…

漫画/「松かげに憩う」③ 天瀬シオリ 感想

松下村塾の当時の松陰は27才くらいの書生であり藩の罪人であり実家の杉家に禁錮中の身で外出の自由もありませんでした。 その松陰がなぜそれほど松下村塾の門下生たちにやがては長州藩にそして社会に影響を与えるようになったのでしょうか?うむむ吉田松陰の…

漫画/「列士満(レジマン)」松本次郎 感想

よくぞここまで戦ったものです。 幕末の動乱期に生まれた幕府歩兵隊はまさに最新の銃で武装した洋式軍隊でしたが、水戸の天狗党やら長州の奇兵隊やらと戦うもまあろくな戦果も挙げぬうちに幕府が瓦解してしまいます。 もはや総大将の徳川慶喜公も上野のお山…

映画/「カストラート」

古い話で恐縮ですが、ポスト24年組のひとりたらさわみちには「バイエルンの天使」という代表シリーズがありますが、竹宮恵子がウイーン少年合唱団の大ファンだったのは有名な話ですから彼女のアシスタントをしていたたらさわが少年合唱団の漫画を描いたの…

漫画/「花伝ツァ」木原敏江 もう一度読みたい名作漫画

1980年に発売された木原敏江の漫画 木原敏江といえば少女漫画誌「LaLa」の黄金期を支えた「摩利と新吾」、これはもう間違いなく不朽の名作ですが、和洋問わずの世界観で他にも素晴らしい作品が数多あるのです。 幻想ロマンといったスタイルの本格時代ものも…

漫画/「イノサン」「イノサンRouge(ルージュ)」坂本眞一 感想

イノサンは井野さんではなく英語のイノセント(無垢)の事で、主人公のシャルル=アンリ・サンソン(実在)はムッシュー・ド・パリ(フランスの死刑執行人の頭領を表す称号)を務めた4代目サンソン家当主です。 「イノサン」が全9巻「イノサンRouge」が全12巻…

漫画/「劇光仮面」山口貴由 感想

大学時代「特美研」という特撮愛好サークルに所属していた男。 かつての仲間の訃報を受け、自分が死んだら自分のスーツを皆の手で裁断してほしいという遺言にメンバーは再会する。 特撮にのめり込むあまり危険で実用性の高いヒーロースーツ「劇光服」を制作…

2022年、生きるって大変ね~と思った話

年末ですね。 今年も残すところわずかになりましたね。 自分という人間の2022年を振り返ってみますと、4月から職場が異動になりコミュ障には難度の高い仕事を仰せつかりましてね、合わせて引っ越しもしましたんで、慣れない環境のせいかストレスなのかわか…

漫画/「末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる」ひるなま 感想

2021年に単行本化された「末期ガンでも元気です 38才エロ漫画家、大腸ガンになる」は、末期の大腸ガンを宣告されてからのエピソードを綴った超ポジティブな闘病記。 作者はBLを執筆していた漫画家です。 つい最近YouTubeのおすすめにこの漫画が急に出て来た…

漫画/「ヴラド・ドラクラ」6巻 大窪晶与 (ネタバレ)感想

「吸血鬼ドラキュラ」のモデルで「串刺し公」と恐れられた暴君・ヴラド3世の真実に迫る歴史漫画。 第6巻読みました! (大窪晶与「ヴラド・ドラクラ」6巻) 舞台は15世紀中期のヨーロッパなのです。 ヴラド3世のワラキア公国(現・南ルーマニア)は、南にオ…

漫画/「へうげもの」山田芳裕 感想

「へうげもの」は2005年から2017年まで「モーニング」で連載されました。 主人公の古田織部は戦国から江戸時代にかけて生きた武将でして、千利休の弟子でもあった茶人です。 茶人て言うからシブいお人を想像してると全然違くて、もーねー腹がチギレるほど面…

漫画/「作りたい女と食べたい女」ゆざきさかおみ 感想

チョット体調不良で更新出来なかったです。 もう年なので少し仕事するだけで疲れて回復に時間がかかってしまうのですがな。 冴えんなあ。 さて「作りたい女と食べたい女」読んでみました。 料理好きでたくさん作りたい女性と、食べることが好きでとにかくた…

漫画/「コーポ・ア・コーポ」⑤ 岩浪れんじ (ネタバレ)感想

大阪のとあるボロアパートに暮らす訳ありの人々の日常を描いた漫画「コーポ・ア・コーポ」は読むと癖になるかもしれませんよ。 今月発売の➄巻読みました! (岩浪れんじ「コーポ・ア・コーポ」5巻) 実写映画化決定とな! 川のほとりに建つ、築年数43年の二…

漫画/「超人X」④ 石田スイ (ネタバレ)感想

「超人X」はウェブサイト「となりのヤングジャンプ」にて、2021年5月から連載中の漫画。 「東京喰種」の作者が描く異能バトルアクション! (石田スイ「超人X」4巻) 「東京喰種」大ヒットしましたが、作者の人はその後どうしてたかと言うと、3年位ゲー…

漫画/「ひらやすみ」④ 真造圭伍(ネタバレ)感想

阿佐ヶ谷の古い一軒家でのスローライフを描いた日常系漫画。 2021年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の「ひらやすみ」4巻読みました。 (真造圭伍「ひらやすみ」4巻) 「ひらやすみ」は気になる漫画である。 なぜなら主人公のヒロトが単なるのん…

漫画/「牧神の午後」山岸涼子 もう一度読みたい名作漫画

「牧神の午後」は1989年に発表された山岸涼子の漫画です。 20世紀初頭、バレエ・リュスの創成期に活躍した天才バレエダンサー、ニジンスキーの悲劇の生涯が描かれてます。 (山岸涼子「牧神の午後」) さてニジンスキーです。 そしてバレエ・リュスですよ。 …

漫画/「神々の山嶺」感想 作・夢枕獏 画・谷口ジロー

神々の山嶺(かみがみのいただき)は、夢枕獏による原作小説を谷口ジローが漫画化。 2021年、谷口ジロー好きなフランスでアニメ化されて、今年日本公開されたざんす。 (作・夢枕獏 画・谷口ジロー「神々の山嶺(いただき)」既刊5巻) わざわざ説明するまで…

漫画/「ひとりでしにたい」⑤カレー沢薫 感想

悠々自適な老後を過ごしていたはずの伯母がまさかの孤独死。 ひとりでも潔く生きるために、鳴海(35才独身女性)は自ら終活を始める。 そもそも終活とは何をどうすればよいのか?これが難題である。 若いうちからしっかり準備するために、面白くてためになる…

漫画/「東京ヒゴロ」松本大洋 感想

「東京ヒゴロ」はビックコミックオリジナル増刊号で連載中の松本大洋氏の最新作。 9月30日に第2集が発売してますので感想をしたためておきませう。 (松本大洋「東京ヒゴロ」既刊2巻) 漫画家が描く漫画業界の漫画って、たいてい面白いんですよね。 こ…

漫画/「サターンリターン」➆(ネタバレ)鳥飼茜 

加治理津子(30才)は5年前のデビュー作以来、新作が書けない小説家。 自死直前に8人の女にプロポーズしていた男友達・アオイの謎を追う。 でもでも、一番の謎はアンタ自身だよ! (鳥飼茜「サターンリターン7巻」) 本来わたしたちは色々な顔を持っている…

漫画/「アドルフに告ぐ」手塚治虫 もう一度読みたい名作漫画

1936年8月、ベルリンオリンピック。 歴史に残る棒高跳び決勝が行なわれている頃、ベルリン大学近くの下宿で一人の日本人留学生が殺された。 アドルフ・ヒットラーの出生にまつわる、ある秘密を握ったからだ。 (手塚治虫「アドルフに告ぐ」) この物語には3…

漫画/「カラオケ行こ!」和山やま(ネタバレ)感想

ある日漫画界に彗星のごとく現れた感じがする和山やま氏 の2020年に刊行されたコミックス。 絶対に歌がうまくなりたいヤクザと 歌を教える事になった中学生との 奇妙な友情? (和山やま「カラオケ行こ!」全1巻) 森岡中学校合唱部の部長・岡聡美は、合唱…

漫画/「たそがれたかこ」入江喜和 45才バツイチ女性のときめき

「たそがれたかこ」は2013年~2017年まで「BE・LOVE」にて連載された、中年女性の人生を描いた漫画。 (入江喜和「たそがれたかこ」全10巻) あたくし漫画のジャンルは幅広く読もうとは思ってるのですが、どうもラブコメとファンタジーものは食指が動きません…

漫画/「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ(ネタバレ)残された人は生き続けるしかない

「マイ・ブロークン・マリコ」はコミックス一巻完結もの。 主人公の女性が親友の遺骨を抱いて旅に出る話で、ちょっとロードムービーっぽい。 と思ってたら、実写映画化されたんだね。 (平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」) シイノトモヨ(26才・OL)…

漫画/「アンダーニンジャ」⑧ 花沢健吾(ネタバレ)この先どうなるのかまったくわかりませんな

実は忍者は今でも存在していて、秘密裏に暗躍している。 現代に生きる忍者奇譚「アンダーニンジャ」8巻読みました。 (花沢健吾「アンダーニンジャ」8巻) 前巻まで アンダーニンジャ側についた猿田による講談高校での虐殺が始まる。 鬼首と鈴木が迎え撃ち…

漫画/「ヴィンランド・サガ」幸村誠 本当の強さとは何か

「ヴィンランド・サガ」は、11世紀初めの北ヨーロッパを舞台にした、当時世界を席巻していたヴァイキングの生き様を描いた歴史漫画。 タイトルの「ヴィンランド」とは、かつて北アメリカ大陸にあったとされるヴァイキングの入植地の一つで、主人公のトルフィ…

漫画/「邪眼は月輪に飛ぶ」藤田和日郎 これは名作なんですよ

藤田和日郎は、フジタワビロウではなくフジタカズヒロって読むんだよ。 「邪眼は月輪に飛ぶ」(じゃがんはがちりんにとぶ)は2007年に週刊ビックコミックスピリッツに連載された漫画。単行本一巻完結もの。 唐突でございますが、久米田康治の「かくしごと」…