akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画

漫画/「牧神の午後」山岸涼子 もう一度読みたい名作漫画

「牧神の午後」は1989年に発表された山岸涼子の漫画です。 20世紀初頭、バレエ・リュスの創成期に活躍した天才バレエダンサー、ニジンスキーの悲劇の生涯が描かれてます。 (山岸涼子「牧神の午後」) さてニジンスキーです。 そしてバレエ・リュスですよ。 …

漫画/「神々の山嶺」感想 作・夢枕獏 画・谷口ジロー

神々の山嶺(かみがみのいただき)は、夢枕獏による原作小説を谷口ジローが漫画化。 2021年、谷口ジロー好きなフランスでアニメ化されて、今年日本公開されたざんす。 (作・夢枕獏 画・谷口ジロー「神々の山嶺(いただき)」既刊5巻) わざわざ説明するまで…

漫画/「ひとりでしにたい」⑤カレー沢薫 感想

悠々自適な老後を過ごしていたはずの伯母がまさかの孤独死。 ひとりでも潔く生きるために、鳴海(35才独身女性)は自ら終活を始める。 そもそも終活とは何をどうすればよいのか?これが難題である。 若いうちからしっかり準備するために、面白くてためになる…

漫画/「東京ヒゴロ」松本大洋 感想

「東京ヒゴロ」はビックコミックオリジナル増刊号で連載中の松本大洋氏の最新作。 9月30日に第2集が発売してますので感想をしたためておきませう。 (松本大洋「東京ヒゴロ」既刊2巻) 漫画家が描く漫画業界の漫画って、たいてい面白いんですよね。 こ…

漫画/「サターンリターン」➆(ネタバレ)鳥飼茜 

加治理津子(30才)は5年前のデビュー作以来、新作が書けない小説家。 自死直前に8人の女にプロポーズしていた男友達・アオイの謎を追う。 でもでも、一番の謎はアンタ自身だよ! (鳥飼茜「サターンリターン7巻」) 本来わたしたちは色々な顔を持っている…

漫画/「アドルフに告ぐ」手塚治虫 もう一度読みたい名作漫画

1936年8月、ベルリンオリンピック。 歴史に残る棒高跳び決勝が行なわれている頃、ベルリン大学近くの下宿で一人の日本人留学生が殺された。 アドルフ・ヒットラーの出生にまつわる、ある秘密を握ったからだ。 (手塚治虫「アドルフに告ぐ」) この物語には3…

漫画/「カラオケ行こ!」和山やま(ネタバレ)感想

ある日漫画界に彗星のごとく現れた感じがする和山やま氏 の2020年に刊行されたコミックス。 絶対に歌がうまくなりたいヤクザと 歌を教える事になった中学生との 奇妙な友情? (和山やま「カラオケ行こ!」全1巻) 森岡中学校合唱部の部長・岡聡美は、合唱…

漫画/「たそがれたかこ」入江喜和 45才バツイチ女性のときめき

「たそがれたかこ」は2013年~2017年まで「BE・LOVE」にて連載された、中年女性の人生を描いた漫画。 (入江喜和「たそがれたかこ」全10巻) あたくし漫画のジャンルは幅広く読もうとは思ってるのですが、どうもラブコメとファンタジーものは食指が動きません…

漫画/「マイ・ブロークン・マリコ」平庫ワカ(ネタバレ)残された人は生き続けるしかない

「マイ・ブロークン・マリコ」はコミックス一巻完結もの。 主人公の女性が親友の遺骨を抱いて旅に出る話で、ちょっとロードムービーっぽい。 と思ってたら、実写映画化されたんだね。 (平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」) シイノトモヨ(26才・OL)…

漫画/「アンダーニンジャ」⑧ 花沢健吾(ネタバレ)この先どうなるのかまったくわかりませんな

実は忍者は今でも存在していて、秘密裏に暗躍している。 現代に生きる忍者奇譚「アンダーニンジャ」8巻読みました。 (花沢健吾「アンダーニンジャ」8巻) 前巻まで アンダーニンジャ側についた猿田による講談高校での虐殺が始まる。 鬼首と鈴木が迎え撃ち…

漫画/「ヴィンランド・サガ」幸村誠 本当の強さとは何か

「ヴィンランド・サガ」は、11世紀初めの北ヨーロッパを舞台にした、当時世界を席巻していたヴァイキングの生き様を描いた歴史漫画。 タイトルの「ヴィンランド」とは、かつて北アメリカ大陸にあったとされるヴァイキングの入植地の一つで、主人公のトルフィ…

漫画/「邪眼は月輪に飛ぶ」藤田和日郎 これは名作なんですよ

藤田和日郎は、フジタワビロウではなくフジタカズヒロって読むんだよ。 「邪眼は月輪に飛ぶ」(じゃがんはがちりんにとぶ)は2007年に週刊ビックコミックスピリッツに連載された漫画。単行本一巻完結もの。 唐突でございますが、久米田康治の「かくしごと」…

漫画/「望郷太郎」⑦ 山田芳裕(ネタバレ)貨幣を制する者が天下を制す

大寒波に襲われた地球で、人工冬眠から五百年後に目覚めてみれば、世界は滅亡してた・・・イラクから祖国日本へ、シベリア鉄道を歩いて目指す元商社マン舞鶴太郎。 五百年後の世界に生き残った男が、人類がたどって来た遥かな旅路を目撃する、奇跡体験!アン…

漫画/「狼の口 ヴォルフスムント」久慈光久 トラウマ級の人が死ぬ漫画

「狼の口 ヴォルフスムント」は2009年~2016年まで連載された、中世のスイスを舞台にした漫画。 残虐な拷問シーンや最初から最後まで延々と人がムッコロされ続ける、心が弱い人は読んではいけない作品。 (久慈光久「狼の口ヴォルフスムント」全8巻…

漫画/「ここは今から倫理です。」⑦ (ネタバレ)天瀬シオリ ついに人類永遠の課題、なぜ、人を殺してはいけないのか・・・?

「ここは今から倫理です。」は、倫理を教える高柳先生が、今時の高校生たちのお悩みに独特のスタンスで向かい合う教師物語。 (天瀬シオリ「ここは今から倫理です。」7巻) 毎日毎日暑いですが、6月に発売した「ここは今から倫理です。」7巻の感想を、今…

漫画/「バジリスク ~甲賀忍法帖~」原作山田風太郎 漫画せがわまさき 作中最強は誰だ!?

「バジリスク~甲賀忍法帖~」は2003年から2004年に連載された漫画 原作は1958年に発表された山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」 (せがわまさき「バジリスク甲賀忍法帖」全5巻) 山田風太郎は戦後日本を代表する流行作家ですが、思うにこの方の小…

漫画/「日出処の天子」山岸涼子 人とは元々ひとりなのです。人は皆さびしい魂を抱えて生きているのです。

「日出処の天子」は山岸涼子が1980年~1984年にかけて月刊「LaLa」で連載してた名作漫画。 日本人で知らない人はいない聖徳太子が主人公。 1983年の講談社漫画賞少女マンガ部門を授賞。 初めにざっくりなあらすじを書きますと、厩戸王子(うまや…

漫画/「乾と巽ーザバイカル戦記―」➆ 安彦良和 毎日暑いからシベリアが舞台の漫画でも読んで涼んでみない?

「乾と巽ーザバイカル戦記ー」はアフタヌーンで連載中の戦争漫画 大正時代の知られざる戦争「シベリア出兵史」を描いています 乾は帝国陸軍砲兵、巽は新聞記者 著者はあの安彦良和 (安彦良和「乾と巽ザバイカル戦記」7巻/アフタヌーンにて連載) 毎日毎日…

漫画/「デビルズライン」花田稜 ダークファンタジーってか少女漫画的萌えに間違いなく胸キュンするよ

「デビルズライン」は「月刊モーニングtwo」で2013年から2019年まで連載されてた漫画。 タイトルと表紙がカッコいいけど、中身は恋愛要素がメインテーマの作品。 (花田稜「デビルズライン」全14巻) この作品の舞台は吸血欲を持った鬼がひっそり…

漫画/「ダーウィン事変」④ うめざわしゅん(ネタバレ)チャーリーによもやまさかの新事実が!?

半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは、人間の養父母の元でヒトとして育てられ、15年後、高校に入学することに。 しかしチャーリーをテロに引っ張り出そうとするALA、彼を忌避する周辺住民、FBIなどが入り乱れる中、チャーリーの家…

漫画/「血の轍」第13集 押見修造(ネタバレ) マジで鬱になるから読みたくないんだが

「ありがとう。ひとごろしになってくれて」そう言ったママの首を思わず法廷で締めようとした、衝撃の少年審判から約20年後・・・・ (押見修造「血の轍」第13集/小学館ビックコミックスペリオ―ル連載) 遅ればせながら4月に発売した「血の轍」第13集の…

漫画/「恋とゲバルト」細野不二彦 恋とか革命とか全共闘とか

ゲバルトとは、学生運動で、暴力的手段をもってする闘争の事。 60年代の若者の恋と革命を描いた作品です。 (細野不二彦「恋とゲバルト」講談社コミックDAYSにて連載/既刊3巻) 全共闘、来る!!!って、ブチャラティが来る!みたいに言われてもねえ。 日…

漫画/「後ハッピーマニア」③ 安野モヨコ(ネタバレ) 結婚=ハッピーじゃなかった女たち

90年代を席巻した伝説の漫画「ハッピーマニア」の後日談。 45才になったカヨコ(旧姓シゲタ)が、自分にぞっこんだったはずのタカハシから「好きな人ができた」と突然離婚を切り出されてしまう。 躊躇しながらもついに離婚届を受け取ったカヨコ。 ウーン…

漫画/「健康で文化的な最低限度の生活」柏木ハルコ つらすぎるな生活保護 日本は貧困に目を背けてる

またためになる漫画を読んでしまった。 この漫画はズバリ「生活保護」をテーマにしています。 大学を出て福祉事務所生活課に配属されたヒロインが生活保護の新人ケースワーカーとして悪戦苦闘する物語でして、不正受給する奴なんかをビシビシ取り締まる話な…

漫画/「ダーウィンクラブ」③ 朱戸アオ(ネタバレ) あわわ潜入捜査ってテロに加担しなくちゃならない流れ

世界中でCEOと従業員の経済格差が千倍以上ある巨大企業に対して始まったテロ。 石井大良の後輩刑事宮本は殺害され、父を殺したと思われる男・佐藤もテロの末の火災で遺体となって発見される。 警察を辞め天木に接触した大良は一連の事件の背後に「ダーウィン…

漫画/「モリノアサガオ」郷田マモラ 死刑制度はなぜ日本で支持されるのか

この作品は2004年~2007年まで漫画アクションで連載されてたのですが、日本の死刑制度がテーマとなっています。 ハッキリ言ってあたくし、こういう社会派ムードが漂う漫画作品は好まないので敬遠してたのですが、なんとなく読んでみたらこれはこれで…

漫画/「ゴールデンカムイ」㉙ 野田サトル(ネタバレ)アシㇼパさんとうとう俺たちで金塊を見つけちまったね

週刊ヤングジャンプでの連載が完結しまして、今全話を無料配信してるんですが、ゴールデンカムイはコミックス派を貫こうと思って見てないです。 加えて実写映画化やらゴールデンカムイ展の開催やらと、話題に事欠きませんな。 実写化はどうかと思うんですけ…

漫画/「違国日記」ヤマシタトモコ

「違国日記」は、両親を交通事故で失った中学3年生の朝(あさ)と彼女を引き取った叔母の槙生(まきお)の物語です。 両親の葬儀の場で、残された朝の養育に親戚一同が揉め(よくありそうな話)たらい回しにされそうになるのを見かねた槙生が彼女を引き取っ…

漫画/「望郷太郎」⑥ 山田芳裕

人口冬眠から舞鶴太郎が目覚めたのは5百年後の地球だった。未曽有の大寒波により地球は壊滅。高度な文明が滅びた後の人々は原始的な暮らしをしていた。イラクから日本まで徒歩で目指す男が目撃するグレイトジャーニー。 (山田芳裕「望郷太郎」6巻) 5百…

漫画/「消えた初恋」⑧ 作画アルコ・ 原作ひねくれ渡

好きな女の子から消しゴムを借りたら前の席の男子の名が書いてあってそれを庇った事から始まる勘違いコメディー。彼女のために愛のキューピッドになろうとしたのに、なんでか加速度的に高まってしまうBL感。青木と井田のピュアな恋の行方は? (アルコ画/ひ…