漫画
(沙村広明「波よ聞いてくれ」既刊7巻) 沙村広明さんと言えばやっぱ「無限の住人」が代表作だけど、これはまったく作風の違うものになっていて驚く。 作品のコンセプトが「今度こそ間違いなく人の死なない漫画」って事らしい(笑)が、半分くらいはふざけて…
(森薫「乙嫁語り」既刊12巻) 今は自由な時代だから結婚するかしないかは自分が決める事だけど、かつての日本でもそうだったように女性の人生には結婚しか選択肢がない時代もあった。 この作品に登場する19世紀の中央アジアに生きる女性たちもまさにそう…
(作・真刈信二 画・DOUBLE-S「イサック」既刊7巻) 「イサック」の舞台になってるのは17世紀の神聖ローマ帝国(主に今のドイツ)だ。 三十年戦争と呼ばれるカトリックとプロテスタントの宗教戦争は神聖ローマ帝国以外の国にも波及し、やがてはヨーロッパ中…
(谷口ジロー「歩くひと」) 郊外の借家に妻と引っ越してきた男。 名前はわからない。 40代くらいだろうか。 職業も不詳で子供はいない模様だ。 引っ越しの荷物も片付かないうちに、男は「ちょっと歩いてくるよ」と散歩に出かけてしまうが、妻も「は~い」と…
(小玉ユキ「坂道のアポロン」全9巻) 1966年、初夏。 西見薫は横須賀から長崎県佐世保市にある佐世保東高校に転校して来た。 薫は線の細いメガネ男子だ。 医学部志望の秀才で趣味はピアノ。 だが父の仕事の都合で小さい頃から転校を繰り返していた彼にとっ…
「小早川伸木の恋」は柴門ふみがビックコミックで2004年から2年間連載した漫画。 確か唐沢寿明さん主演でテレビドラマ化もされてたと思う。 (柴門ふみ「小早川伸木の恋」全5巻) 小早川伸木は35歳だ。 彼は大学病院に勤務する外科医で、美しい妻と5歳の娘が…
(山口つばさ「ブルーピリオド」既刊6巻) いよいよ受験が近ずいてくる時期だのお。 自分が受験生だったのは遥か昔の事だけど、冬の町にイルミネーションが灯る頃になるとあの頃の心もとない気持ちとか思い出して胸が締めつけられるのよ、いまだに。 どうも…
(岩明均「ヘウレーカ」) 岩明均が「ヒストリエ」に先がけて2001年から2002年に描いた①巻完結の歴史漫画。 タイトルの「ヘウレーカ」とはアルキメデスがシチリア島のシラクサの王様から金の王冠の純度を調べるように命じられ、風呂に入って湯が溢れるのを見…
(筒井哲也「有害都市」上・下巻) 2019年、東京ではオリンピック開催を控えて環境浄化が声高に唱えられるようになり、猥褻なものやいかがわしいものを排除しようという風潮が起こっていた。 そんな中、国会ではある法案が可決された。 「有害図書類指定制度…
(手塚治虫「ばるぼら」全2巻) 実写映画化の話を聞き、つい読み返してしまった。 手塚治虫が1973年から74年に発表した「ばるぼら」は不思議な物語である。 書き出しが良いので引用してみる。 都会が何千万という人間を飲み込んで消化し、垂れ流した排泄物…
9月末から劇場公開された池松壮亮くん主演の映画「宮本から君へ」の原作は、1990年から1995年のバブル期に連載された漫画作品だ。 正直申し上げてこの漫画知らなかったのだが「その時代の人に最も嫌われた漫画」という漫画紹介の一文があったのに、なんか惹…
今月も終わりだから、10月の出来事や読んだ本・漫画・見た映画など忘れないように残しておこう。 先月は仕事が忙しくて休日が少なかったけど、今月は平穏。 でもなんか疲れが取れない。 老化でしょうか。 10月某日、カレーを作ろうと思い材料を買いに行った…
山下智久くん主演でテレビドラマ化もされた漫画「インハンド」は天才寄生虫学者・紐倉哲とその助手・高家春馬が医療を巡る難事件に挑むミステリーだ。 (朱戸アオ「インハンド」既刊2巻) 東京都内で天然痘を疑う患者が次々と発生し、感染者は12名、死者は2…
「予告犯」は2011年から2013年まで連載された(今は無き「ジャンプ改」にて)サスペンス漫画で、実写映画化もされてるようだ(見てないけど) (筒井哲也「予告犯」全3巻) いきなりショッキング過ぎる冒頭。 インターネットの無料動画サイトに新聞紙を頭に…
(沙村広明「無限の住人」全30巻) ある剣術道場の一人娘・浅野凛は突然現れた剣術集団「逸刀流」によって、父を惨殺され母は凌辱された後連れ去られてしまう。 その二年後、16歳になった凛は父の墓前で復讐を誓うが、いかんせん剣術の腕は上がらず必殺技(笑…
(押見修造「惡の華」全⑪巻) 実写映画が現在公開中だが見るかどうか思案中・・・ 「惡の華」の主人公は春日高男くんという中二の男子だ。 春日くんは、成績はまあ中の下くらいでクラスではあまり目立たない存在だ。 彼は読書が好きで愛読書はボードレールの…
ああああ、もう9月も終わりか~ いや~時のたつのは早いなあ~。 なんか加速度的にBBAになってる気がする今日この頃。 9月の出来事や読んだ漫画見た映画など忘れないように残しておこう。 9月某日、野暮用で実家に帰ったついでで群馬県みなかみ町の「宝川温…
ちょっと前だけど、ネットニュース見てたら秋篠宮家の佳子さまがオーストリアのウイーンを公式訪問してて「ウイーン少年合唱団」と交流なんてものをしてたね。 それにしても、以前は女性誌なんかが随分と雅子さまをディスってたけど最近はもっぱら矛先は秋篠…
(清水玲子「秘密season0」既刊8巻) 清水玲子による死者の脳をめぐるサイコ・サスペンス漫画「秘密season0」 ①巻から⑧巻までを読了した。 これは1999年~2012年にかけて発表された「秘密ートップ・シークレットー」のスピンオフシリーズだ。 この漫画大…
ついに、ついにジェルミはグレッグを自動車事故に見せかけて殺害する事に成功したのであった。 ところが、その事故であろうことかサンドラが巻き添えになってしまったというね、ジェルミにしたらなんつー想定外の出来事か! 喜んだのも束の間で衝撃のあまり…
そうそう、米須玄師の「パプリカ」の国宝鳥獣戯画バージョンをYouTubeで見て笑ってしまった。 兎と蛙が「パプリカ」に合わせて踊るんだけど、動きがキレがよくて妙にクオリティー高いのよ。 「鳥獣戯画」と言えば4・5年前に東京国立博物館に甥っ子と見に行…
ええと、8月ももうすぐ終わるので何か残しておこう。 今年は仕事でコミケは3日目しか行けなかった。 それもかなり遅い出だしだから駅からビックサイトに向かう途中戦利品を抱えた戦士たちが大勢引き上げて来るのとすれ違う。 いつもすごい混雑で人にぶつから…
(萩尾望都「残酷な神が支配する」⑥巻より) ジェルミが受け続ける暴力があまりにも苛酷で読んでて暗い気持ちになってしまう。 広大な敷地に立つ豪華な館に暮らすローランド家の人々。 その家族に秘められた闇を象徴するかのように館の外には鬱蒼とした深い…
その男は君を苦しめ痛めつけそれを愛だと言っている それはサディストの欺瞞だ (萩尾望都「残酷な神が支配する」⑤巻より) ジェルミはイアンのいる寮に移る事になりました。 それはジェルミとウイリアムがキスしてたという噂に対する、学校側の迅速な対応で…
子供への性的虐待は本人が告白するか家族が気づかないとなかなか顕在化しません。 信じられない事に気づいていながら見て見ぬ振りをする場合もあって家族という狭く閉鎖された世界の不気味さを感じます。 母親を不幸にしたくないと義父からの性的虐待を誰に…
作者の萩尾望都は2019年で「デビュー50周年」なんですよね。 萩尾氏は20歳でデビューして現在70歳でいらっしゃいますが「残酷な神が支配する」は氏が43歳の時の作品です。 代表作の一つ「ポーの一族」は70年代に描かれたものですが、2016年には続編を40年振…
遅ればせながら「亜人」の14巻を読みました。 まだ佐藤さんと戦ってたんだね・・・ 2017年の佐藤健くん主演の実写映画はまったく原作と違う作りだったけど、アレはアレで面白かったと思います。 佐藤さん役が綾野剛くんだったので「若っ!」とビックリしたけ…
(「残酷な神が支配する」②巻 萩尾望都) さて舞台はイギリス。 ローランド家の邸宅リン・フォレストハウスがあるのはロンドン近郊の美しい田舎町で、使用人もいる大きな屋敷にジェルミは驚きます。 サンドラの為に屋敷のカーテンは全部彼女の好きなサーモン…
「残酷な神が支配する」は「プチフラワー」にて1992年から2001年まで連載された長編サスペンス漫画でございます。 (萩尾望都「残酷な神が支配する」全17巻) ある悲しみの話をしようと思う いや僕がその悲しみに気付くのはもっとあとの事で とりあえず今日…
(野田サトル「ゴールデンカムイ18巻」) 思えば「ゴールデンカムイ」と言う作品によって、これまでアイヌに何の関心もなかった私は様々な事を教わった気がします。 今まで知らなかったアイヌの文化や歴史を、アシㇼパを始めアシㇼパのフチやキロランケと…