「さらざんまい」が面白いというので見てみました。
現在フジテレビ”ノイタミナ”で木曜日24:55~放映中で第7話まで進んでいます。
Amazonプライムでも見れますので一気見しました。
「さらざんまい」って回転寿司を食べるアニメかと思ってました(笑)
さて、舞台は東京・浅草で三人の男子中学生カズキ・トオイ・エンタが謎のカッパの王子ケッピと出会い、突然尻子玉を奪われてカッパにされてしまいます。
カッパになった三人は人間からは見えない存在になってしまうんです。
するとケッピから、人間に戻りたければある方法でつながりゾンビから尻子玉を抜いて持ってくるようにと言われてしまうんです。
なんか不条理な・・・
と、まあそんな内容です。
うーん、これすごく面白かったんだけど展開が謎めいていて結局なんだかよくわからないんですよね。
ただもう私は尻子玉を抜くシーンばかりを驚きと笑いで視聴してしまいました。
前半の少年たちのドラマパートより後半のカッパになって尻子玉を抜くパートがやたら面白くて・・・
尻子玉って言うのは、人の肛門の中にあると考えられた架空の臓器で玉状のものです。
これを抜かれると人は腑抜けになってしまうらしい。
そしてカッパはこの尻子玉が好物らしいです。
ご存知のようにカッパは日本の妖怪ですがとても人に身近な妖怪で、いたずら好きでちょいエロだったりして憎めないイメージではあります。
でも昔は川で遊んでると「カッパに尻子玉を抜かれるぞ」とか言って子供に危険な川遊びを戒めたりしたのです。
昔の人は水死した子供の死体の肛門が弛緩して広がっているのを見て、カッパに内臓を引きずり出されたと思ったらしいです。
カッパってなんと恐ろしい奴かと震え上がったでしょうね。
でも面白いだけじゃなく舞台である浅草の風景描写は大変リアリティのあるものとなっています。
浅草寺の雷門や仲見世通り、隅田川やスカイツリーがとても美しい作画で登場します。
そんな浅草一帯をある日次々と箱が飛んで行くというおかしな事態が発生して、ゾンビの仕業だから戦うようにとケッピに言われる三人。
尻子玉とは人間の欲望エネルギーを蓄積する臓器だから、ゾンビは尻子玉を抜けば消滅するとケッピは言います。
そして、なぜか三人はケッピの引く人力車に乗せられ仲見世通りから雷門を快走して人の世の裏側「欲望フィールド」へと到着するのです。
そこから突如ミュージカル風演出になり歌い出すカッパトリオ。
「俺は箱が欲しい」と言うゾンビと戦い、肛門に侵入したカズキの足をエンタとトオイが懸命に引っ張ります。
「とったどお!!」
尻って書いてある(笑)
このカッパの何か汁を浴びた感がすごい。
これによって、このゾンビの正体は盗んだ箱を裸で被るのが好きな男だと判明します。どんな性癖なんだ。
でも「さらざんまい」は三人が身も心もつながる事であり、秘密も共有する事なので知られたくない秘密でさえも知られてしまうのです。
カズキが実は女装マニアだった!(マニアじゃないかもしれないけどまんざらでもない)
しかも浅草のご当地アイドル「吾妻サラ」に成りすましていた秘密をエンタとトオイは知ってしまいます。
だけどそれには、もっと深いもっと痛い理由があったのです・・・
なんかよくわからない不思議な世界観でした。
三人の少年には実はそれぞれ悩みや葛藤があり、それが多くの伏線となって先が見えない物語となっています。
この作品は人のつながりと欲望という現代人が抱えているテーマを描いています。
今の世の中って会った事もない誰かと簡単につながれるネット社会が構築される傍らで、自分の隣人の顔も名前も知らないとかなんかおかしい気がします。
つながりなんてはっきり言って手垢の付いたテーマだと思いますが、それに欲望をからめてくるのが上手いと思うし風刺もきいてるのです。
たとえば作中にアマゾンの箱が人の欲望の象徴みたいに登場します。
(amazonじゃなくてkappazonだけど)
思えばクリックひとつですぐに何でも配達してくれるアマゾンはどれほど私たちの生活を便利に豊かにしてくれた事か。
そのロゴがついた箱はまさに人の欲望を具現化したようなものなんですよね。
意味深な、見方によってはかなり辛辣なんです。