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大人の漫画読み

漫画/「ゴールデンカムイ」22 野田サトル

 

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(野田サトル「ゴールデンカムイ」22巻)


遅ればせながら6月19日発売の「ゴールデンカムイ」22巻の感想をば。

 

世の中がコロナや豪雨災害で大変な時ですが、あたしにも家族の病気という試練が訪れて先月からなかなかブログが更新できませぬ。

まあそんなエラソーに言うほど頻繁に更新してないですけど。

漫画を読んだり、ブログを書いたり、気まぐれにやって来た事でも、好きな事がフツーに出来る幸せを少々実感いたしましたよ。

 

 

さて、現在地は樺太の大泊港である。

鶴見中尉から逃げる杉元とアシㇼパ。

突然二人が逃げ出したので泡食って追いかける鶴見中尉の部下たち。

鶴見中尉が連れて来た精鋭だからして追跡もお手の物だが(コワイよね~)

月島軍曹や鯉登少尉も鶴見中尉の元へ戻ってしまえばこの人たちは軍人ですから、二人を捕らえようとする敵となる。

旅の仲間としては気心も通じてたのにちょっと寂しいのお。

しかし遠慮なしのさすがの月島軍曹に撃たれ(撃つんだねえ)倒れる杉元。

駆け寄るアシㇼパ。

そこへ鯉登少尉がやって来て安易に近ずくものだから杉元に刺されてしまう。

左胸をナイフの先が背中に突き抜けるほどの重傷だ。

 

手負いの獣のような杉元に近ずくのはデンジャラスである。

月島軍曹は十分承知してたけど、鯉登はやっぱり詰めが甘い。

早く追えと言われても無視して、月島軍曹は鯉登少尉の傷を見てあげる。

「いつも感情的になって突っ走るなと注意してたでしょう」

と言ってあげる。

月島軍曹は変な人ばかりの第七師団の中で唯一の常識人だよね。

ついでにチラ見で通り過ぎようとする鶴見中尉に向かって、嘘でも心配したらどうですか?と心でつぶやく。

 

確かに冷たいよ。

アンタ鯉登がお気に入りだったんじゃなかったっけ?

 

鯉登少尉はアレだね、まだ若いから軽率だけど、部下思いだし年を取って経験を積めば、軍の上層部のエライ人になれるんじゃないかな。

一枚岩の結束を誇るかに見えた第七師団も足元がちょっぴり崩れて来ているのかもしれないね。

悪魔的な魅力で部下をたらしこむ鶴見中尉だけど案外内部から崩壊していくかもしれん。

 

 

樺太を脱出し稚内への連絡船へ乗り込んだのは杉元とアシㇼパと白石と「頭巾ちゃん」こと尾形を狙う脱走ロシア兵である。

谷垣ニシパも追って来たけど、アシㇼパにインカラマッは鶴見中尉の所にいるんだから来るなと言われ、ここで別れである。

民間の連絡船に鯉登少尉のお父さんの駆逐艦で砲撃させる鶴見中尉のえげつなさ。

しかしこの時期オホーツク海沿岸は流氷がやって来てて、4人は船が立ち往生しているすきに流氷の上を徒歩で逃げたのである。

うーむ。流氷の上を歩くって漫画ではさも簡単そうだけど、実際はスゲーアブナイよね。

 

 

政府を転覆し満洲進出を視野に入れる鶴見中尉が、その資金源にしようとしたアイヌの金塊の、そのありかを知るアシㇼパにまんまと逃げられちゃったわけで。

二人は自分たちの力で金塊を見つけアイヌの為に使う、その使い道はアシㇼパに決めさせようと杉元は思うのだった。

 

アシㇼパは杉元が憧憬する清らかなものだ。

だから自分の見て来た修羅の道を彼女には見せたくないと一度は思ったけど、相棒として共に生きる事に考え直したのだ。

しかしあたしが思うにどっちもどっちである。

杉元は側に来ると血の匂いがして、まっとうな女性は一緒にいられないだろう。

アシㇼパちゃんは清らかで美しいが、かなり獣クサイと思うし、あのウイルクがゲリラ戦ができるようにと育てたんだもの。

 

そしてアシㇼパは暗号を解く方法を既にわかっている。

杉元もそれに気づくが、今はまだ聞かない事にするのである。

 

アシㇼパも、杉元が暗号の解読法を知ったら自分を置いて一人で探しに行ってしまうだろうから今はまだ言うべき時じゃないと考えている。

 

金塊争奪戦はいまやクライマックスを迎えようとしている。

ここから先に待っているのは、金塊を手に入れようとする者たちの極めて凄惨な地獄のような殺し合いであろう。

 

だかろこそアシㇼパは、自分が杉元の弾除けとなって彼を守りたいという強烈な決意を見せる。

いざとなれば、「道理」があれば、杉元と一緒に地獄へ落ちる覚悟がある、とアシㇼパは言うのである。

彼女の言う「道理」とはアイヌの為に戦う事である。

 

なんだかお互いが相手のためなら命さえ捨ててしまいそうで危ぶまれますな。

 

 

まあそんなわけで流氷の上で腹をすかせた白石が、流氷の天使・クリオネを見つけチュルっと飲んでみたら「くさっ!」と思いっきり吐き出して見たり(臭いんだね)、白熊を見つけた一行が白い毛皮が金になると舞い上がってみたものの、せっかく仕留めた獲物が流氷に乗って流されて行っちゃったりしましてね、あの熊は流氷に乗ってやって来たホッキョクグマだったのか、それともヒグマのアルピノ種だったのかと生物学的なロマンを感じるいいエピソードでしたな。

 

 

やっと北海道に戻って来たねえ。

後半は砂金掘りに目がくらんだ杉元と白石の結構ホラーなヒグマ騒動である。

砂金掘りとかワクワクしちゃうけど、そうやって皆狩りをやめて砂金を採るようになったから 川が汚れたんだとアシㇼパが釘を刺す。

砂金は人の心を狂わせる。

まさにこの金塊争奪戦の縮図を見てるようだね。

鶴見中尉と土方歳三をぶつけて漁夫の利をかすめようなんて、杉元さんそんなにうまくいくかしら。

またアシㇼパを追って姿を現した尾形の動向も気になりますな。

尾形ともう一度勝負したいスナイパーの頭巾ちゃんも面白いヤツだぜ。