akのもろもろの話

大人の漫画読み

Audibleデビューして宇佐美りん著「推し、燃ゆ」を読んでみた

日頃メガネかコンタクトなのですが、このところ眼精疲労が酷いあたしは「聴く読書」ってどうなん?と思いつき調べてみたら、今ならAmazonプライム会員3か月無料で聴き放題じゃないですかやだー、ってなわけでAudibleデビューしちゃいました。

 

いやーよいですねえ(^^♪

なんかたどたどしい読み上げと違い、プロのナレーターによる音声なのでとても聞きやすいです。

有名声優や俳優もいます♡

ラインナップも沢山あってうれしい~

無料期間が終了しても定額1500円ならいいじゃん!

 

と、最初は浮かれたものの、そのうち自分のペースで読めないのが気になり出す⤵

言葉の意味を考えてるうちにドンドン進んじゃうし、前に戻って読み返したりもやりずらいのです。

音声の速度は細かく設定できるのですが、1冊聴くのにはけっこうな時間がかかります。

最初、逢坂冬馬の「同志少女よ、敵を撃て」を選んだのですが、聴き終わるまで14時間チョイかかるので、長すぎて途中で挫折してしまいました。

こんなに膨大な時間がかかったら、1カ月に2冊くらいしか読めんぞ。

ウーム。

確かに両目は休まるけど、こういうの向いてないのだろか?

で、もう少し短時間で聴き終わる書籍を探したら「推し、燃ゆ」を見つけました。

ところが、目をつぶって聴いてたら寝落ちしちまうという体たらくでありまして、やっぱ小生聴く読書には向いてないようであります。てへっ

(宇佐美りん「推し、燃ゆ」)

本当にそうゆう話だったっけ?とちゃんと読んだ人が怒るかもしれないざっくりなあらすじ

主人公のあたしは女子高生で「マザマザ」とかいうアイドルグループのマサキが推し。

マサキがファンの女を殴って炎上する所から始まる。

あたしは「病める時も健やかなる時も推しを推す」という名言をツイートして推しを擁護。

あたしにとって推しを愛する事は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の真逆で、坊主を好きになれば袈裟のほつれまで愛しくなるのである。これも名言。

学校では保健室の常連。

勉強もできないので中退する。

バイトもクビになる。

コンサートに行く余裕はあるのに就活しないと母親キレる。

母親は毒親っぽい。

あたしもなんだか発達障害っぽい子。

祖母の葬式で海外に赴任してた父親が帰国して説教してくるが、あたしは父親がツイッターで女性声優にオッサン構文でリプしてたのを思いだして嘲笑い。

推しのグループは解散し推しは引退する。推しだけにおしまいっつーね。

感想

推しは推せる時に推せと申しまして、誰の言葉か忘れたけど、常に変化するエンタメ業界の中では、アイドルというのは儚い存在でいつ活動をやめてしまうかわからないからです。

また、こちとらもトーシロですから、金がなくなれば推せないんだし、病気になっちゃうかもしれんし、いつどうなるかは誰にもわからないから無理は禁物なのであります。

しかしまあこの主人公の場合はきわどい一体型で、ラジオ、テレビ、推しのあらゆる言葉をすべてノートに書きつけていて、その数は20冊に及ぶと言う。

推しが何を考えているか研究分析し、推しという人間を理解しようと励んだ結果、ファンミの質問で推しが何と回答するか予測できるようになり、なりすましは見破るというファンの間では有名なガチ勢となる。

学校の勉強はできないのに、推しを解釈するために綴ったブログは人気となり、ネット上では優しくて楽しくて文章のうまいしっかり者の大人だと思われているのです。

何かは保存用と鑑賞用と貸し出し用の3枚買うとか(何だったっけ?)投票権のためにCDを何十枚も買うとか、とにかく金がかかりますから居酒屋みたいな所でバイトをしてる。

ただかわいそうなくらい不器用で使えないっぽい。

推しの誕生日には推しの似顔絵を描いてもらったホールケーキを全部食って吐く。

売れ残って安価で売られているグッズが不憫で大量に買い占める。

推しのATMだと卑下せず、むしろ推しへのお供え物であり買うことに意味があると考えているフシ。

彼女がいかに自らの生活を推しを推すことに捧げているか。楽しいどころか少林寺三十六房の修行のような厳しさで、日々の喜びもうち捨て、すべてをそぎ落とし、つらさと引き換え打ち込むことで浄化された気分に浸る。

これは病んでるっ!

しかし重要なのは彼女には居場所がない事で、母親とうまくいかず、推しで繋がるSNSのコミュニティだけが居場所です。

思うに彼女は発達障害かなんかそこらへんに問題がありそうなのに、家族は学校をやめた彼女が怠けてるとか、就職も進学もしないなら金は出せないだとか、一方的に責めるだけなので何ら解決しません。

ってか、お母さんがコワいっ!

子供が自分の思い通りに育たなかった腹いせで当たっているとしか思えず幼稚な母親ですよ。

彼女の部屋が汚くフツーに生活できないのは見ぬ振りで、働かざるもの食うべからずとか言い出して無知でわかってないんだよね。

誰にもわかってもらえないつらさが息苦しいけど、現実の男と恋愛をして自分の居場所を作ろうとかは全くしません。

現実の関係は壊れてしまうから、推しを愛でている方が良いからです。

これは依存か、はたまた現実逃避か、アイドルを見つめる目のひたむきさや、全身全霊をかけて推しを推す姿はもはや修行僧のようで清々しい気もして共感も覚えましたが、チョット・・・内容に真新しさはあんまりないと思いました。

作家は一言一句研ぎ澄ますように執筆してると思うのですが、そこは目で見なければやっぱわからんですわ。

耳で聴く読書は、概要がわかるって程度で読書とは言えぬな。(人による)