「ひらやすみ」は続きが気になる漫画のひとつです。
阿佐ヶ谷の古い一軒家でのスローライフを描いた日常系の漫画ですが、「ひらやすみ」とは平屋で暮らすのんびりとした毎日みたいな意味の作者の造語でしょうか。
8巻が出てたのにまだ読んでなかった~ ひん;;
遅ればせながら「ひらやすみ」8巻の感想をしたためる次第です。
「ひらやすみ」はどんな話かと申しますと、主人公のヒロト(29才フリーター)は若い女性は苦手だけど老人からは愛される性格でしてね、ひょんなことから意気投合したハナエ婆ちゃん(83才年金暮らし)からよく飯をご馳走になってたんですが、ある日婆ちゃんが急死してしまい遺言で身寄りのない彼女の家を貰う事になったんです。
オイオイ!そんなラッキーな事があるかよ!?と、諸兄諸姉は思うでしょう。
でもね、ヒロト青年が持つ徳を考えると漫画的ご都合展開とは感じずなんだかありそうな気がしてくるから不思議なんです。
まあかなりのボロ屋でしたが平屋の一戸建てで庭もありまして、オサレな暮らしからは程遠いけど婆ちゃんが綺麗に暮らしてた家を彼女の思い出と共にヒロトは大事にしているわけです。
それはそれとしまして、ヒロトったら30にもなるのに定職にもつかず釣り堀でバイトしながらのほほんと生きてるんですが、さすがに30にもなれば俺もこのままじゃいかんぜよとか考えるじゃないですかフツー。
それがマジで悩みとかなくて、とにかくマイペース&くよくよしたってしょうがないじゃんとか言うてポジティブなんであります。
だがしかし、ヒロトが単なるのんびり屋さんでないことは、彼を見て読者は「人間の幸せってなんだろうな?」ってフッと考えてしまうはずです。
ヒロトはきっと人間の幸せはありふれた日常の生活の中にあると考えてるに違いありません。考えてないかもしれないけど。
さて8巻。
なつみはまだ夏休みでして友人たちと長野へ一泊旅行です。
もうこいつら青春の輝きが眩しいよね。
でも前巻でなつみは親友のあかりとちょっとギクシャクしていました。
あかりは山田と付き合いだし絵が大賞を受賞しまして、今までのようにあかりを独占できなくなったなつみは彼女との関係に距離を感じるようになっていました。
そのせいで旅行に気が進まないなつみに、「本音言いあう時はキャッチボールだろ!」とグローブを押し付けたヒロト( ´∀` )笑
「友達ってずっとそばにいられるわけじゃないんだよ」と言うヒロトの心には山形へ帰ると言ったヒデキがいて切なかった。
しかしまあ、これはもうヒロトの名言「本音言いあう時はキャッチボール」に従い、公園で女子2人下手くそなキャッチボールで本音が言えて関係を修復することができたんです。
旅行のメンバーはいつもの女子3人と山田に、山田の友人の新キャラの大類くんが登場しますが、彼が空気を読めず1人で違うことをしたり皆を待たせたりするので「なんであんな空気読めねーヤツ連れてきたし!」となつみはイライラして山田に突っかかりますが、「忖度なくていいじゃないか」と逆にいさめられ、そう言えば誰も気にしてないんだよね。
なんか気にしてるのは自分だけだと気づいたなつみは、皆が急に大人に見えて来て、自分てなんて子どもっぽいんだろうか?それはちゃんとした恋愛を経験してないから?子どもっぽいからマンガもダメなんじゃ??と迷走し始めます。
確かになつみは子どもっぽいですわ。
ヒロトとなつみはイトコ同士なんですが、実の兄妹のように仲が良くケンカすれば子どものケンカだし、なつみはヒロトに気を使うとか遠慮するとか全くナッシングでして、家事はもうヒロト任せ。
旅行に出発する朝もヒロトがまるでお母さんみたいに朝飯を作り、なかなか起きないのを起こしてやり、準備もグダグダしてるのをはよせいやと促し、凍らせた麦茶まで持たせてあげる。
これはこれで微笑えましいから、なつみは子どもっぽい所が魅力だから、そんなに急に大人になろうとしなくていいよと言ってあげたいですな(親目線)
なつみも大類くんと恋の予感か~
中華屋のおっちゃんじゃないけど、いいなあ青春。
そしてミニマリスト石川とずぼらな仕事人間よもぎのデート。
34才のよもぎは親友も結婚が決まり、仕事が忙しいのを言い訳にはできないと石川とのデートに積極的に臨もうとするのですが。
デートの為に怒涛のような仕事を片付け、疲れてるから酒を飲めばいつのまにやら寝てしまい、ハッと目覚めれば寝不足とさんざんきこしめした後の二日酔いで、時間がなくて服のコーデは最悪だし体調も最悪だし、よく行ったと思うよ。コレ。
しかし仕事人間同士けっこう意気投合し、石川から好きですつきあってと言われました。
その時よもぎは「立花さんのこと好きだから」と言ったヒロトのことを思い出したのであります。
泥酔してたとは言え、忘れてたんかーい。
よもぎはとりあえず保留にします。
いますぐ返事できないと言われ落ち込む石川は、偶然ヒロトの釣り堀へと足を向けます。
一応2人は恋のライバルになりますがヒロトはいい奴だし、石川ってかなりキモイと思うけど、そういうのヒロトは気にしないし、いい気分で釣ってると、ヒロトがかつてファンだった俳優だったことに気づきます。
えー、マジっすか!?(ファンいたんだ)
しかも昔ヒロトをイメージして書いた小説が今度映画化するんでオーディションを受けてみないかと誘われるんですよ。
なんたる急展開!
そう言えばよもぎも俳優続けた方がいいって言ってたし、ヒロトも悩んじゃう。
ヒロトのやりたいことってこれなのか?
と思いましたが、マンガ家デビューを目指し奮闘中のなつみが書けないって言いながらもマンガのことばかりを考えてるのを見て、自分にはもうそういう情熱はないなと気づくんです。俳優に戻れたかもしれないのにね。
都会の片隅で繰り広げられるヒロトの飾らない日々の美しさや、周囲の人たちとの交流の中に人生への気づきがある所が素晴らしいです。
無駄なことにも意味があるとか60過ぎの大ベテランだってなかなか言えないと思いますよ。
ってか、ヒロトの穏やかで温かい人柄も実は老成しててこいつは人生の達人ではないのだろうかと思ったり思わなかったりするのです。
時々挟まれるヒロトと婆ちゃんの思い出エピソードも良く、くるみいなり食べたい。