akのもろもろの話

大人の漫画読み

最近読んだ漫画 感想まとめ

早いもので2025年も半分過ぎてしまったわけで。

年齢を重ねるとなぜこうも時間の経過が早く感じるのでしょう。

とりあえず、最近読んだ漫画の感想をまとめておこう。自分用のメモとして。

ダーウィン事変 9巻
著者:うめざわしゅん
講談社アフタヌーンKC
発売日:2025/5/22

ストラルド研究所の広大な敷地内にある廃工場(アスベスト製なので放置されてた)の地下がオメラスのアジトとわかりチャーリーと新キャラのゴンゾ(使える)が潜入。他の動物よりも優れているんだから特権があると思い込んでいるのが人間の原罪だと言うオメラスに、それは特権じゃなくて権利でまだ十分に実現されていないコンセプトだとチャーリーは言う。確かに差別や偏見や貧困など人権は守られていないのが現状であり人間にとって一番の脅威は人間なのだ。ルーシーは救出できたが研究所の情報が拡散し賞金稼ぎの馬鹿共が大勢集まってきて大騒動に。こういう展開がハリウッド映画みたいだよね。この後ルーシーの妊娠が発覚。なぜ避妊しなかったのよ!チャーリー!もっとお利口だと思ってたのに。オメラスがルーシーに固執するのは愛憎の兄弟だから同じ女を愛したいものなのかしらね。



 

 

みっしょん!! 4巻
著者:入江喜和
講談社BE LOVE KC
発売日:2025/5/13

家事と家業と介護に追われる疲れ切った54才の中年女性が自動車免許(しかもマニュアル)取得に挑戦する話だが、彼女を巡る群像劇がひたすら面白い。真っ赤なポルシェに乗る憧れの木津先生の自宅に誘われ、女性だけど男前な木津先生にますます惹かれてしまう未知さん。長年自分を押し殺して生きてきた未知さんを肯定してくれるかの言動に、これは恋ではないかとさえ思うのだ。恋じゃないと思うけど、自分をわかってくれる人がこれまでいなかったんだよね。家を空ける事がなかったから家族はママがいなくなったと一波乱。「ワタシ好きな人がいるの!女性なの!」と言われ、今まで妻を下に見ていた夫に激震が走る(笑)



 

 

竜馬がゆく 12巻
著者:鈴ノ木ユウ
文芸春秋e-books
発売日:2025/5/16

言わずと知れた司馬遼太郎原作のコミカライズも12巻。個人的に好きな千葉兄妹。竜馬は兄の重太郎と共に勝海舟を斬りに行って、逆に弟子になってしまう。もう有名エピソードだし原作に忠実に漫画化してるので先がわかってしまう。勝と竜馬は本当に馬が合ったんだな。勝のおかげでジョン万次郎(世界を見てきた人)に会ったり軍艦に乗っったり生き生きとした竜馬が描かれる。それに引き換え武市半平太ときたら、やる事が暗いんだよね。武市の不幸は物事の考え方が土佐藩の枠内から出ない事だ。時勢がわかってない。仲良しだったのに意見の違いで別れていくのはちょっと切ない気がするけど、動乱の時代だから感傷的になってる暇はない。

 

 

 

きのう何食べた? 24巻
著者:よしながふみ
講談社モーニングKC
発売日:2025/6/23

正直言ってシロさんをシロさんと呼ぶタブチ君に嫉妬して俺以外がシロさんて呼ぶのは駄目だと人前で泣き出す58の男ってどうなん?ケンジをキモイと思った事は一度もなかったが、さすがにドン引き。もしかして加齢のせい?老化現象?年を取って感情が抑えられなくなったのか。おじいちゃんのゲイカップル、今後が心配。そしてシロさんのあの母親が脳梗塞で亡くなる。父が語る若き日の母の話。息子がゲイだと知ってショックのあまり新興宗教にハマってしまった妻の苦悩を見てきた父が、ケンジにもう家に来ないでくれと言った顛末を改めて謝罪する。シロさんの美少年時代のあどけない寝顔がお宝。

 
 
 
 
 

波よ聞いてくれ 12巻
著者:沙村広明
講談社アフタヌーンKC
発売日:2025/6/23

久しぶりの新刊。沙村先生入院してたのか。ミナレのマシンガントークは面白いが早すぎてついてくのが大変なんで、今回は城華マキエ、シセル光明、久連子克三の話がゆっくり進んで良かった。各キャラの掘り下げと謎だったシセルの過去にはちょっと驚く。中原は優しいから城華が惹かれる気持ちはわかるが、彼女のように複雑なタイプは中原には荷が重すぎるんじゃないかな。わかってるのにあきらめきれない城華のもどかしさ。そしてボイジャー2号店構想。ゲスかと思えば意外にも漢な宝田店長がいい味出してる。ミナレのようにズケズケ核心を突いてくる若者に自分は老害なんだ死んだ方がいいんだなと悟らされる高齢者ってつまらんぞ。老よ!若に負けたらアカン!あとがきも面白い。

 

 

 

どくだみの花咲くころ 3巻
著者:城戸志保
講談社アフタヌーンKC
発売日:2025/6/23

昔遊びクラブで信楽くんが例の骨を入れたお手玉を製作した為に下級生が怖がってパニックに。信楽くんの誤解を解くには新聞を発行しようという変な6年生小石原が登場。(白シャツに七三分けで歯を矯正中)。信楽くんは変じゃないと言い張る清水に「変な所を隠して書くと読む人に信用されないから変な所もちゃんと書く」という主張に感心する。小学生とは思えない。でもね子どもを馬鹿にしてると子どもって大人が思ってるよりずっと賢いし大人なんだよね。大人の前では子どもの振りをしているんだよ。たぶん。とか思ってたら出来上がった原稿をコピーしようと職員室へ行くと職員室中が小石原の名を聞いた途端にざわめいて笑う。信楽くんが昔遊びクラブの先生からガリ版を借りる場面が良い。学習発表会とか林間学校とか行事が目白押しだし、個性強めな児童ばかりで先生って大変。バス移動中の嘔吐伝染事件も可笑しい。いやーいい作品だと思う。ほのぼの。表紙も素敵。