akのもろもろの話

大人の漫画読み

「アンダーニンジャ16巻」「みっしょん!!5巻」おすすめ新刊

アンダーニンジャ16巻
著者:花沢健吾
2025/10/6
講談社ヤンマガKC

実は忍者は今でも存在していて秘密裡に暗躍しているっていうね。

現代に生きる忍者奇譚「アンダーニンジャ」ですが、8巻で主人公があっけなく死んでしまったのにはたまげましたよね。

九郎だけにクローンだったという笑えない冗談みたいな成り行きで、その後10と11と12番目の雲隠兄妹がわらわら登場してしれっと活躍してます。

さて、国会議事堂に忍者侵入防止システムで一年中雨が降っている設定良きですね。

政府とNINとUNの極秘三者会談が行われました。

現況NINは内紛が激しいですから佐々魔と加藤は独断で動いているので必ずしもNINを代表しているとは言えませんが、UNの方は宗主・神隠の元でよく統一が取れている感じですよね。

神隠はちっとも強そうに見えないけど幻術の使い手らしい。

NIN側のリーダーは抜け忍ながら佐々魔の強い押しで加藤に決定します。

ってか、多羅ベビーのパパ加藤だったんだ~

NINを殲滅して新しい忍者組織を作り政府の指揮下に置きたいと言う織田総理の野心的な発言。

総理の提案に概ね了承する二者。(いいんかい?)

そこで中性的な容貌で殺気もナッシングの神隠が、問題は「果心居士」だと言い出します。

出たよー。謎の果心居士。

そもそも加藤は「果心居士を滅ぼす為にNINの下忍はUNと共謀すべし」って言ってたんですが、神隠によるとやっぱその幻術の威力はめっちゃすごいらしい。

すごすぎて逃れるためにUNは地下に潜ったっつーんですわ。

まだ戦いたいから地下に潜ったというのが定説でしたけど違ったのか。

NINとUNが共闘して果心居士を倒す、という目的で一致した歴史的瞬間です。

然るにこの後恐ろしい展開が!

神隠が加藤に「あなたも幻術にかかっている」とか言うわけですよ。

あの加藤がですよ。

1巻の登場シーン思い出してよ。

九郎のアパートに宅配持って入ってきた加藤さんのエラソーだった事とか九郎の卑屈だった事とか。

だがしかし加藤さんがへらへらして威張ってたのは九郎だったり、UN製男根型破壊兵器で威風堂々と大放尿していたのは幻で実際はチョロチョロの粗ちんだったり、どれが真実なのか加藤さんの記憶はもう混乱してしまい、さすがの加藤さんも精神的ダメージがマックスです。

今までこんな加藤さん見たことない。

見たくなかったわ、こんな加藤さん。(けっこう加藤ファンだと気づきました)

あのアパートに果心居士がいて加藤さんに幻術をかけたという事です。

更に「あなたは果心居士に会っている」と神隠に言われる加藤さん。

あのアパートには大野さんと川戸さんしかおらんですが、あと寝たきりの大家さんがいるって設定でしたよね。

野口さんにトイレの場所を教えてくれた手なのか???うーん

そして、果心居士を守っているのが雲隠だと言う衝撃発言も飛び出しまして。

自分の記憶が消されてしまうならまだしも改ざんされてしまうとかコワイワー。

忍者コワイ。

五十嵐にKILLされた双子とか、コワイ中にも忍者の哀愁を感じさせる所とか流石です。

この漫画16巻になっても面白さが衰えませぬ。

 

 

 

 

みっしょん!! 5巻
著者:入江喜和
2025/10/10

いまやAT限定免許の取得者は7割前後だそうで、特に女性はAT限定の割合が更に高いはず。

世の中の流れに反しマニュアル免許取得に挑む主婦・庵未知(54才)が主人公です。

大家族の家事と家業の書店の店番と認知症の母親の介護を1人で抱え、人生に疲れ幸せをあきらめてた未知が、ある中年女性に出会いまして。

自由すぎる彼女と彼女が乗る真っ赤なポルシェのエンジン音に痺れた未知は、満たされない日々にグッバイするため、免許を取って自分の車を買おうと一大決心。

ところが仕事以外はなんもしない夫に猛反対された為に、マニュアル免許を取る羽目になりましてね。

ざっとまあ、こんなお話ですが、5巻が発売したと思ったら巻末に「次巻で終わります」とありましてちょっとガッカリざんす。

夫はマニュアルは難しいからオバサンに取れっこないと高をくくっていたけど、それでもエンストしながらも仮免取れたのよ。

ついに2段階で路上ですわ。

で、例の憧れの朝子さんに週末遊びに来ないかと誘われます。

嬉しくて行きたいけんど、認知症の母の世話は誰がすんねんて話です。

ケアマネによるとショートステイはたまにするよりも毎週の方がいいと言われます。

本人も外泊に慣れた方がいいから。

でも以前( ノД`)シクシク…( ノД`)シクシク…泣いて嫌がる母を送り出して、いなくなってせいせいするどころかうしろめたい罪悪感で一杯になってしまった暗い体験が。

バーサンはみっちゃんみっちゃんうるさく未知でなければ夜も日も明けぬから困ったものだ。

内心ウザいけどできるだけ優しく接しなければと自分を抑えるも、疲れて早く寝たいのに洗濯ものに歯磨き粉たらされてつっけんどんに押したら倒れて救急車で運ばれる母。

3人姉妹の末の妹が見舞いにきて「一人で抱えこまないで。周りをもっと頼って」と、もっともらしいことを言う。

たまに顔出すだけのくせに。

ショートステイに預けろって簡単に言うけど、行きたくないと泣く母を説得するのは自分だし、罪悪感は結局誰も肩代わりしてくれない。

心の中で毒づく未知は、まるで自分の中に鬼が巣食っているんではないかと自己嫌悪します。

未知の顔には鬼の面が描かれてる。

ウザイし汚らしいし娘を鬼にしてしまうし、年を取るって悲しい事ですね。

子どもが生まれたばかりで夜泣きして死にそうだった時に、助けてくれた母の明るい姿を思い出し涙が止まらなくなってしまう未知でした。

家族はめんどくせーけど愛しい時もある。

そこへ娘のめい(25才・デパート勤務)が帰ってきて仕事を辞めたと言い出す。

娘が家にいるので行けなかった教習所にまた行き始める未知に、娘はばーちゃんを施設にいれたらと言うのである。

母親が目が離せないから家を空けられないってキツイっす。

この漫画は中年女性がマニュアル免許取得の困難を、同年齢の女性に恋する気持ちをモチベーションに頑張る話ですが、これはやっぱ恋というよりシスターフッドの共有なんですよね。

また認知症の母とか仕事以外なんもできない夫とか側にいるのに全然手伝わない実妹とか設定が細かく群像劇としても面白いのですが次巻でおしまいとわ。