
著者:天瀬シオリ
集英社ヤングジャンプコミックス
発売日:2025/11/19
高校で倫理を教える高柳を主人公にした教師もので、天瀬シオリ氏の代表作もついに完結かあ。
生徒たちが抱える様々な問題に、高柳が倫理の教師という独自のスタンスで向き合う漫画でして、高柳のキャラが立っててかなり異色でしたね。
思えば高柳先生の倫理の授業があるのは高校3年生の1年間だけ。
4月の最初の授業から3月の最終の授業までがワンクールでして、新学期になると生徒は全員入れ替わりました。
この体で行けば時々学校を異動したりしながら、永遠に長期連載いけるやんと踏んでたんですが、そっか10巻で終わったか。
なんかページ数が多いボリューム版です。
いつも静謐な空気に包まれている高柳ですが、過去編にも度々登場してきた高柳にとって大切な恩師が死去する話が中心になっています。
恐らくは癌だと思いますが末期となり消去的安楽死が施された事で高柳は精神的に大きなダメージを受けます。
ってか、高柳先生は身近な人の死を経験するのは初めてなのかな?
動揺する気持ちはわかるけど病人や家族を差し置いて泣きすぎではなかろか?
人はいつか必ず死ぬんですよ。
あたしはむしろ死ぬべきタイミングで死ねない事の方が不幸だと思ってるんですがね。
ま、それだけ大切な人なんでしょうが。
大切な人と別れたくなくて、延命治療を続けても生きていて欲しいと願うのはエゴなのだろうか?といった問題がまず提起されています。
そしてあろうことか倫理の授業で、生徒たちに「安楽死に賛成か?反対か?」というお題でディベートをやらせるんですぜ。なんたる展開。
しかし生徒たちも黙ってませんよ。
先生も自分の意見を言わんかいと反論され、ディベートの場に高柳も引っ張り出されてしまうのです。
高柳はもちろん反対の立場を取りますが、自分でもエゴである事をわかっているがどんな形でも生きていて欲しかったと語るのを読んでて、なにかこうとても人間的だなと思った次第です。
この作品の特徴は問題を提起しても具体的な解決策は描かないのです。
だからモヤモヤしてしまう事もあるのですが、じっくり読んでいると答えは一つではなく、絶対的な正解は存在せず、人や状況によって多様な考え方や解決策があり得るんだなと思わせるのが憎い所です。

原作:司馬遼太郎 漫画:鈴の木ユウ
文藝春秋
発売日:2025/11/17
竜馬が海軍塾の資金依頼のために、越前福井藩を訪ねたのは文久3年の事です。
勝が開く予定の私立の海軍塾の資金が足りず、福井藩のお殿様・松平春嶽に5千両もの大金を借りようというのです。
それを聞いた寝待ちの藤兵衛は竜馬の大胆さに「土佐の下級武士の旦那が会えるお人じゃねえよ」と気が引けてしまいます。
なんせ土佐藩じゃ自分の殿様にも拝謁する権利がない身分ですから。
(;´д`)トホホ
竜馬はまず、福井藩の郡奉行・三岡八郎を説得します。
藩財政を黒字にしたキレ者の三岡から春嶽に口利きしてもらおうという作戦。
大胆不敵のようでいて、組織の中のキーパーソンは誰かを見抜き味方につけるのが竜馬流でして。
勝と竜馬が考えた案は、京に集まっている勤王浪人や諸藩の藩士を海軍学校に入れて船の操法に馴れさせ西洋式廻船問屋をやり、諸藩のみでなく外国とも貿易をやるというものです。(海軍塾なん?と言うより商船塾ですやん)
利益が出ればまずは春嶽に持ってくると言います。
つまり投資ですな。
竜馬も三岡も当時としては珍しい「お金の事がわかる武士」なのよね。
ところで、司馬遼太郎の原作小説が発表されたのは1960年代とだいぶ昔ですが、以前にも書いたと思いますが、あたしはどうも原作小説での竜馬の行儀の悪さや汚らしい所が苦になってしゃーないのです。
こういう要素はかつては男の魅力だったのでしょうか???
小説に登場するお多鶴様、千葉さな子、寺田屋お登勢、といった竜馬に気がある女性たちは皆、呆れながらも母性本能をくすぐられる風でかいがいしく世話してやるのが不思議で不思議で、だってほんとに汚ねえ。
極めつけが「竜馬は話に夢中になると、喋りながら羽織の紐を解いて口にくわえ、唾でべちゃべちゃになった紐の房をぐるぐる振り回すので相手の顔が濡れる」という項です。
三岡八郎がコレをやられたのですが、流石に汚いので漫画版にはなくて良かったわー。ヨカッタ
昭和の時代には笑えたかもしれんが、令和では受け入れられないと思います。
時代に応じてアップデートされてるようです。
まあ余談が長くなってしまいましたが、竜馬は春嶽に互いの利害を一致させるプレゼンで5千両を出させる事に成功しましたのよ。
あと新選組が登場し北辰一刀流で同門の藤堂平助とのすったもんだがあり、陸奥宗光が登場し、長州藩では出家した高杉晋作が呼び戻され奇兵隊を創設します。
あとおりょうさんは、いっかー