実は忍者は今でも存在していて秘密裡に暗躍している。
現代に生きる忍者奇譚「アンダーニンジャ」は週刊ヤングマガジンにて2018年から連載中。
アニメ化だなんて、あのシーンはどうするのかしら?
主人公が8巻で死んでしまった、とんでもない漫画「アンダーニンジャ」です。
死んだと見せかけて実は生きてるんだろうと思ってたけど、どうやらコレが本当に死んだっぽい。
九郎だけにクローンだったという笑えない冗談みたいな成り行きで、雲隠兄弟がワラワラと登場してきましてね。
この後どうなっちゃうんだろうと混乱してたら、シレっと主人公が十郎に入れ替わってますやんか。
だけど、九郎というキャラはすっとぼけた中にどこか優しさや哀感があって面白かったのに、こんなテコ入れ必要だったのかなー?
さて、天こと雲隠十郎が猫平をポケモンのごとく肩に乗っけ、猫語で会話しながら忍務にあたる姿はほっこりするが。
いつも胸と背中につけてる黒い円盤状のものが気になる。
「NIN 10kG」と書かれたマンホールのフタみたいな金属で重そうに見えるんだけど、敵が十郎の体に触れると、こいつがオートで攻撃を始めるのよ。
自立型戦術支援忍装「ASTNG(アストン)」でして、防弾チョッキとしての機能の他、乱戦や一対多戦時に威力を発揮するとあるが、2個で20キロもあるらしい。重いなー
前巻で外商部隊のドミニクに喧嘩を売られて「アストン」が発動したけど、タイヤみたいに転がって足を轢くっていうね。
そんな重いものを肌身離さず持ち歩いてソレか?と少し思ったね。
2人の仲裁に入ったアレクセイが毒指の使い手とわかり「しっ」「しっ」とか言う。
この後ドミニクに背中のをはめてもらってて「コレトテモオモイヨー」とたまげてましたな。
こういう会話の妙味とかが作家性だよね。
9巻から登場してるのに名無しだった、十郎と鈴木に忍務を伝えてたコンビニ店員の下忍の名が「竜虎」だとわかる。
十郎&竜虎は五十嵐を、アレクセイ&ドミニクは加藤を討伐する忍務なのだが、五十嵐の背後には加藤がいる可能性があり、4人と猫平は行動を共にする事に。
一方、鈴木に拉致された歴史小説家・吉田先生は、なんとユームーバーになるため鈴木にしごかれていた。
鈴木に押し付けられる吉田先生カワイソ・・・・
人前で話すの苦手そうだもの。
「遁」を失い、内部にあったNIN個人データをUNに奪われたNIN。
「遁」の庇護がなくなり無防備になったNINに、UNは自爆ドローンを使用して個人データに入っていた中忍以上を殺害し始めた。
NINは一気に劣勢となり、十郎たち若い忍びが最前線に駆り出されてるわけでして。
さらに、UNによる「講談高校ガス爆発事件の真相」という動画が大量に出回っている。
これは両眼にカメラ機能が搭載されてる猫平が撮影した映像だから、猫平もUNと繋がってるんだよね。
ただ猫平は人間だった頃の記憶もあるけど、またすぐ猫に戻ってしまうような有り様だから、これについては認識できていない。
で、「講談高校の事故はNINが起こした」という噂が広まるのを危惧した上層部からのお達しで、下忍たちはNINの良いイメージを世間にアピールするため四苦八苦。
NINは影の存在だから大っぴらにはできないが、民意を敵に回してはならないのだ。
NINの活動映像を提供して、吉田先生はそれをスクープする謎のおっさんユームーバーになる、という無茶苦茶な話だ。
情報を統制するのは重要である。
吉田先生には迷惑な話だが、落ち武者っぽい見た目でけっこう人気でるかも。
さあ、いよいよ五十嵐が侵入してると思われるNINのアジトであるエコエコタワーに到着よ。
4人は非常階段を鈴木のいる最上階まで昇るのだが、五十嵐は摩利支天の透明スーツを着用してるから、どこに潜んでるかわからぬ。
NINを恨んで復讐しようとしてる五十嵐はかなりの使い手だし、こっちが不利に思えるが十郎は落ち着いてる。
十郎VS五十嵐の戦闘だが、例の「アストン」が今度は胸の前で回転し始め、十郎が自分の髪の毛を抜いて風で飛ばすと刺さる鬼太郎の「髪の毛針」みたいな技を出す。
「身外身」(しんがいしん)とかいう技だった。
もちろん毒の話はハッタリ。
毒毛とか毒指とかやりにくくてしゃーないわと、五十嵐は降参してしまう。
十郎は1分以上たってて何ともないのに降参する五十嵐が不可解だと疑う。
確かに五十嵐はあまり戦意を感じない。
実は時間稼ぎしてたわけでして、もう鈴木のいる最上階に敵は侵入していたのだ。
爆発音が響き五十嵐も含め4人は最上階へ向かう。
鈴木の松葉杖には銃が仕込まれておりサボットスラッグ弾を発射。
ところが敵の方が上手でしてね、気配を完全に消し、いつの間にか全員に自爆ドローンがつけられていたのだ。
鈴木の命令で全員武装解除と透明化解除し、あっけなく降参する。
なんですかね降参て?
五十嵐も降参って言ってましたが、簡単に降伏するのが現代風なのでしょう。
たった1人に制圧されてしまったわけだが、ようやく姿を見せた敵はいきなり大声で「全員!忍歌あ斉唱おおおおおう」と命じまして。
いきなりなんやねん?と思ったんだけど、歌うんだよね。コレが。
一同そろって忍歌とやらを。
「嗚呼われらの忍ぶ道い~」みたいなのを一生懸命に。
このシーンが結構長い。
歌いながら修行時代の辛かった日々を思い出して涙ぐんだりしてるわけ。
そこに入って来た十郎が言う。
「歌っているお前ら全員バカなのか?加藤の術中にはまってるぞ」って。
やっぱ加藤だったか。
九郎の事を「弱かったから負けた」とアッサリ言い切ってた十郎。
初登場から気になっていた黒い円盤の使い方がチョットわかったけど、雲隠一族最強の男と認められるほどの描写はまだない。
主人公が交代するという手法が成功したのかはまだわからない。
ついでにUNの全貌もいまだよくわからず。
ただ戦闘シーンの巧みさと登場人物の会話の間とかに独特の笑いがあるよね。
話がなかなか進まないと思ってると急展開するのは、作者の意図に及ぶことなのかわからないけど、まあ楽しく読めるのがいいじゃないですか。