akのもろもろの話

大人の漫画読み

みっしょん!!入江喜和 感想 新作もオバサンが主人公

「テレビドラマ化されたから読む!」 「手塚治虫文化賞のマンガ大賞取ったから読む!」 なんてのはアタイの中にはなくて、ただもう入江喜和先生描くところのオバサン主人公が面白くて好きなんです。 かなり見た目はくたびれ劣化してるけど、いまだ心には乙女…

ビジャの女王 森秀樹 感想 蒙古帝国の侵攻とインド墨家による小都市ビジャの防衛

ご存知のように、13世紀初め、チンギス・ハーンの蒙古帝国は急速にその勢力を伸ばしまして、13世紀後半までにはユーラシア大陸の東西に及ぶ、世界で最も広大な領土を持つ帝国となりました。 この物語の舞台はペルシャ高原の小都市ビジャです。現在のイランの…

だんドーン 久坂玄瑞が水も滴る美少年なので思わず吹いた第5巻 感想 泰三子

漫画に限らず小説でもドラマでも、歴史物は話を面白くする為に史実にオリジナルの創作を足すわけです。 しかるにやり過ぎれば歴史を知らないと侮られる事もありますので、これはさじ加減が難しい所です。 面白い資料だけ股に掛けるのも浅薄に見えてよくあり…

さよならミニスカート 第3巻 5年振りの新刊 牧野あおい 感想

もう出ないんじゃないかと思ったくらい休載期間が長かった「さよならミニスカート」の第3巻が出ました。 作者さま体調不良との事で5年ぶりの新刊なんですと。 この作品は集英社の少女漫画雑誌「りぼん」の連載でして。 「りぼん」の読者層ってのは小学校高…

竜馬がゆく 第9巻 感想(ネタバレ)丸亀から長州へ竜馬の旅は人との出会いと己を知る旅 原作司馬遼太郎 漫画鈴ノ木ユウ

武市半平太が構想する土佐郷士三百人で作る「土佐勤王党」。 そこから土佐の藩論を勤王倒幕へまとめたい武市ですが、目の上のたんこぶは藩の重鎮でありバキバキの佐幕派「吉田東洋」ざんす。 前巻の感想はコチラです↓ www.akirainhope.com 「吉田東洋を斬る…

風の抄 柳生秘帖 感想 谷口ジロー 原作古山寛 柳生十兵衛の孤高な挑戦

あてくしコロナに罹り8月はずっと体調不良だったざんす。(;´д`)トホホ ようやく癒えて来たので久々にマイブログを開きまして、とりあえずはリハビリがてら今kindle unlimitedで読める、谷口ジローさんの「風の抄 柳生秘帖」の感想でも書いてみるべ。 それに…

七夕の国 岩明均 感想(ネタバレ)七夕の国という異世界の恐怖

5年振りに「ヒストリエ」の新刊が発売しましたが、岩明先生は長期休載に入ってしまったんですね。 ちなみに「ヒストリエ」12巻の感想はコチラです。 お暇がありましたらお読みくださいませ。 www.akirainhope.com さて「七夕の国」は「寄生獣」の後に描かれ…

ヒストリエ 12巻 感想(ネタバレ)岩明均 フィリッポス王の暗殺

2003年から月刊アフタヌーンで連載している岩明均の「ヒストリエ」は世界史の超有名人「アレクサンドロス大王」の、書記官のエウメネス(知ってる?)の波乱万丈な人生を描く歴史漫画でありまして。 チョー遅筆ゆえに絶対完結しないと巷で言われてる「ヒスト…

映画/碁盤斬り 感想 時代劇愛好者の悲喜交々

柳田格之進(草彅剛) 浪人。囲碁の名人 お絹(清原果那) 格之進の娘 萬屋源兵衛(國村隼) 大店の旦那 弥吉(中川大志) 顔がいいだけの萬屋の手代 身に覚えのない罪を着せられ故郷の彦根藩を追われた柳田格之進は江戸で浪人となり、娘のお絹と2人絵に描い…

竜馬がゆく 第8巻 感想(ネタバレ) 土佐は故郷と呼ぶには冷たすぎる 原作 司馬遼太郎 漫画 鈴ノ木ユウ

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を鈴ノ木ユウ氏がコミカライズしてて「週刊文春」で連載してるのですが、8巻が出ましたので感想をしたためる次第です。 坂本竜馬って大器晩成な人ですよね。 子ども時代の話はひ弱でいつも泣いて帰って来たとか、12才までおねし…

劇光仮面 第5巻 山口貴由 感想(ネタバレ)人龍とは何だったのか?哀愁漂う怪人の物語

「 劇光仮面」5巻の感想です。 主人公・実相寺二矢(じっそうじおとや)が劇光する「空気軍神ミカドヴェヒター」ですが、4巻でフォームチェンジっぽいのが登場しましたねえ。 ミカドヴェヒター「漆黒」 ミカドヴェヒターの夜間迷彩仕様。 日本兵がモチーフ…

だんドーン 第3巻 泰三子 感想 (ネタバレ) 薩摩の謎とコメディと歴史の融合

薩摩のへんな風習が可笑しい(&下ネタがひどい)「だんドーン」なんですが、俺的にはコメディ路線が鼻につくんだよねー。 なんぞと思うていましたが、だんだん面白くなってきまして、心嬉しい限りですよ。 (前巻の感想はコチラ) www.akirainhope.com 薩摩…

アンゴルモア元寇合戦記博多編 感想 元寇と鎌倉武士

www.akirainhope.com 元寇は鎌倉時代の1274年及び1281年に、2度に渡り行われたモンゴル帝国の日本侵攻だ。 1度目を文永の役、2度目を弘安の役というが、漫画「アンゴルモア元寇合戦記」と続編である「 博多編」で描かれているのが文永の役である。 文永11年(…

アンゴルモア元寇合戦記 博多編 第9巻 感想(ネタバレ) 神風はなかったけど鎌倉武士は奮闘した

皆さま、どうも。 ご無沙汰しております。 しばらく留守にしておりましたが、久し振りにはてなブログを開きましたよ。 3月26日に発売した、あたくしの大好きな漫画「アンゴルモア元寇合戦記博多編」9巻の感想をそこはかとなく書いておきますので、よろしく…

漫画/好きな場面 きのう何食べた? よしながふみ 涙涙の実家訪問

シロさんこと筧史郎とケンジこと矢吹賢二は、一緒に暮らすゲイ・カップルである。 ゲイである事を隠し弁護士として働く史郎は、スーツの似合うシュッとしたイケメンで、ゲイには見えないし年よりもずっと若く見えるから女性にはモテる。 仕事に生きがいは求…

漫画/好きな場面 ゴールデンカムイ 野田サトル 青い瞳と紡がれた運命

北海道の北にある樺太は、おもに島の南側にアイヌが、北側にはニヴフやウイルタといった別の民族が住んでいた。 北方領土の国後島や択捉島から点々と連なった千島列島にもアイヌは住んでいた。 樺太は1975年の千島樺太交換条約によって当時のロシア領となり…

漫画/「離婚しない男」大竹玲二 ネタバレ

妻の不倫を知り離婚したいけど娘の親権は欲しい夫。 しかし現実は「父親が子どもの親権を勝ち取れるのは1割!」と、親権を男親が取るのはほぼ不可能。 浮気された男が娘の親権を得るために戦う、親権争いコメディ。 (大竹玲二「離婚しない男」既刊3巻講談…

漫画/「クジャクのダンス、誰が見た?」浅見理都 4巻(ネタバレ)

元警察官の父を殺した犯人が逮捕され事件は解決したかに見えた。 しかし父の残した手紙には、この犯人は冤罪だと書かれていて・・・? じゃあ父を殺した犯人は誰? 「KISS」(講談社)で連載中のサスペンス漫画「クジャクのダンス、誰が見た?」4巻の感想を…

漫画/「アンダーニンジャ」12巻 花沢健吾(ネタバレ) 

「アンダーニンジャ」は週刊ヤングマガジン(講談社)にて連載中。 現代日本で秘密裏に暗躍する忍者の死闘とユルユルの日常描写とシュールなギャグが素敵なアクション漫画。 2023年にアニメ化。コミックス12巻が発売しました。 (花沢健吾「アンダーニンジャ…

漫画/「狼の娘」小玉ユキ (ネタバレ)

ある違和感を、ずっと抱えていた高校生の月菜 彼女は実は灰色狼 新たな出会いに導かれ、未知の世界に踏み出す青春ファンタジー 「月刊flowers」で連載中の「狼の娘」3巻が発売しました (小玉ユキ「狼の娘」既刊3巻 小学館フラワーコミックス) 小玉ユキさんが…

漫画/「デリシャス・アンダーグラウンド~国際人材バンクより」原作 石井光太 漫画 杉本亜未(ネタバレ)

月刊コミックバンチ(新潮社)で2023年に連載された「デリシャス・アンダーグラウンド」 日本で働く外国人が増加する一方、外国人労働者トラブルも後を絶たない。 身近にいるのにあまり知らない外国人労働者問題を知恵と勇気と美味で解決する漫画。 (原作石…

漫画/「お別れホスピタル」11巻 沖田✕華 感想

終末期病棟の看護師の目を通して、人の死とは何かを問いかける「お別れホスピタル」。 11巻が出ましたので、しみじみと感想をしたためる次第です。 (沖田✖花「お別れホスピタル」小学館ビックコミックス) 主人公の辺見が勤務するのは病院の別館にある終末…

漫画/「だんドーン」2巻 泰三子 (ネタバレ)

川路正之進、後に「日本警察の父」と呼ばれた川路利長を主人公にした幕末コメディ。 「だんドーン」第2巻が出ましたよー! (泰三子「だんドーン」2巻 講談社モーニングKC) 表紙は薩摩藩の小松帯刀ですね。 小松帯刀は島津斉彬の急死後、27才にして薩摩藩家…

漫画/「松かげに憩う」4巻 雨瀬シオリ (ネタバレ)

幕末が舞台の「松かげに憩う」は吉田松陰と松下村塾の門下生たちの生き様を描いた歴史漫画。 松陰の死後、彼らは倒幕という巨大な目標に向かい、次々と歴史の波に身を投じていった。 (天瀬シオリ「松かげに憩う」4巻秋田書店ヤングチャンピオンコミックス…

「前髪の惣三郎」新選組の男色騒動 /司馬遼太郎 新選組血風録より

「新選組血風録」は司馬遼太郎が60年代に書いた傑作で、新選組を題材にした短編集です。 各話は、新選組に実在した人物あるいは架空の人物を主人公にした群像劇となっており、隊内に巻き起こるドラマに定番キャラの土方歳三や沖田総司が絡んでくる構成です。…

漫画/「菌と鉄」5巻 片山あやか(ネタバレ)

「菌と鉄」は別冊少年マガジン(講談社)にて、2021年から連載中。 人類の脳がキノコに寄生されたディストピアを舞台にした作品。 (片山あやか「菌と鉄」5巻 講談社コミックス) 表紙はラミ・バルガ。 (バルガ一族は殺人を好み殺人技術の高い遺伝子を持っ…

漫画/「お別れホスピタル」沖田✕華 感想

「お別れホスピタル」はビックコミックスピリッツ(小学館)にて、2018年から月イチ連載。既刊10巻。 終末期病棟で働く看護師・辺見の目を通して人の死とは何かを問いかける作品。 (沖田✕華「お別れホスピタル」既刊10巻 小学館ビックコミックス) 誰にで…

漫画/「ファミレス行こ。」上巻 和山やま(ネタバレ)

「ファミレス行こ。」は、実写映画化もされた「カラオケ行こ!」の続編。 2020年より「月刊コミックビーム」(KADOKAWA)にて不定期連載中。 「カラオケ行こ!」では中3だった岡聡美が上京して大学生になっている。 (和山やま「ファミレス行こ。」上巻 KADO…

漫画/「ダーウィン事変」6巻 うめざわしゅん ネタバレ

半分ヒトで半分チンパンジーのチャーリ―。 唯一無二のヒューマンジーと思いきや、謎だらけの弟オメラスの登場で事態は激変。 すべてはヒューマンジーの生みの親グロスマン博士に繋がっているはずと、かつて共同研究者だったサラ・ユアン博士から情報を聞き出…

漫画/「エロスの種子」8巻 もんでんあきこ 感想

「エロスの種子」は2017年から連載中。コミックスは8巻まで刊行。 一話完結の連作集で人間の性愛と激情を描いた大人が読む漫画作品。 (もんでんあきこ「エロスの種子」8巻 集英社ヤングジャンプコミックスより) 極北の地である稚内の防波堤の行き止まりで…