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大人の漫画読み

漫画/最近読んだ漫画の感想まとめ(箇条書き)

ちょっと恒例にしております「最近読んだ漫画の感想(箇条書き)」。

今日はハローウィーンパーティーもありませんし、カボチャのデザートも食べませんが、備忘録としてなんとなく残しておくので、しばしおつきあいくださいませ。

「血の轍」第17集 押見修造

ついに完結!凄まじい作品でしたねー

・連載が終了した時、コミックスが発売した時、何度も感想を書こうと思ったのだが、感想を書くためにはあたしの場合もう一度1巻から読み返さないといけないわけでして、でももう一度読む気力がわかなくて(この作品を読むと非常に気が滅入るのです)書けなかったな。6年に渡る連載。マジで壮絶な物語だった。

・作者の後書きに「この物語は私が本当に描かなければいけない事だけを描こう。余計な事は入れずに、ずっとそれだけを描き尽くす所まで進もうと決めて描き始めました。もし途中で終わってしまったら、私は二度と立ち上がれないかもしれない。だから絶対に最後まで描きたいと思いました」とあった。読む方も辛かったが、描く方も苦しかったのだなと思った。

・押見修造は自分の物語をずっと漫画にしてきた人だ。

・やっぱ読み応えがあるのは静一の少年時代を描いた第一部だが、個人的に好きなのは第13集。20年後の大人になった静一と昔は全く存在感のなかったお父さんとの関係が描かれ静子は出て来ない。大人になって静子から離れても心の傷は癒えず自分の人生を生きる事が出来ない静一に涙がちょちょ切れる。

・「今更なぜ俺が?」と静子を見捨てる事もできたし、「おまえのせいで俺の人生は目茶苦茶だ!」と暴力を振るって暴れる事だって出来るのに、面倒見てやるとかフツー出来ないよ。それは認知症のようになってしまった母親の面倒を見るというよりも、自分の心の傷と向き合う事だったのかもね。

・穏やかに暮らしているようなラストだったが、静一は結婚もしてないし1人きり。心の平穏を取り戻しても、一生孤独な人生を生きる静一の姿に子どもに害悪を及ぼす母親の罪深さを感じる。子どもは親を選べないのだ。

・いやもうあんなメンタルの人間が子どもを育てるとか無理だよな。加えて作者のメンタルも心配してしまうよ。

 
 

「おかえりアリス」7巻 押見修造

完結!この先どうなるんだ?!とずっと思ってた

・完結してヨカッタ!「血の轍」と同時に連載してたから。

・作者の後書きは読むとメンタルが心配になるレベル。最初はラブコメっぽい出だしで笑いもあったのに、それが息苦しくなって続けられなかったとあった。

・この漫画の感想を書いたら、Googleアドセンスからポリシー違反を食らって(アダルトコンテンツって事で)何度描き直しても警告が来るのでもうめんどくせーから削除してしまった(これで良かったのか今持ってわからんが)性的な内容が多い作品だから婉曲に感想書くとつまらないんだよな。

・自身のセクシャリティに悩む慧の「男を降りたい」と言う言葉がテーマだった。しかし女になりたいわけじゃないって言うんだから、まだ性自認が定まらないんだよね。

・ここからどうなるんだろう?と案じたが、男を降りた先に行きついたのは、男でも女でもない姿っていうね。なんかわかったようなよくわからん微妙なラストだった。三谷に向けた「女だって降りられるよ」のセリフもちょっと難解。あるいは意味不明で困惑。意図的に濁しているのか、どのように読むかは読者の自由だって事かしら?

・押見修造の作品はラストよりもそこへ至る葛藤が見所なのだ。って事にしておこう。「血の轍」も終わったし、出し切ったご様子。

 

「MUJINA INTO THE DEEP」 1 浅野いにお

ドクター中松のジャンピングシューズ知ってる?

・ナカマツのジャンピングシューズでビルからビルへ、都会の街を縦横無尽に飛び回る殺し屋の少女(と思ったらアラサー)が主人公のバトルアクション

・この世界は人権管理センターと人権カードで管理されるディストピアだ。ムジナと呼ばれる非人権者は電子マネーも駅も病院も使えない反面、法で裁かれる事もない。それを逆手にとった殺し屋まがいのムジナは反社会勢力と繋がっているかと思えば、人気インフルエンサーもいたりして。けっこう自由に生きてる感じが管理社会の若者たちを惹きつけるらしい。

・ムジナのウブメをつけ狙うテンコ。可愛い女の子の殺し屋のバトルとか好きな人は好きなんだろね。

・エ~、でもごめんなさい。そんなに面白いと思えなかった。作品が悪いんじゃないんです。単に好みの問題です。

 

「呪術廻戦 24巻」芥見下々 

なんか人類補完計画?

・呪術廻戦はコンスタンスにコミックが出て、優等生ですなー。

・千年前から生き続ける呪術師・羂索(けんじゃく)は、不死の術式を持ちすでに呪霊に近い存在になっている天元と人間を同化させなんか別の存在に変えたい。

・「死滅回遊」は日本の10か所にコロニーを設け術師たちを殺し合わせ結界内を呪力で満たす。羂索に乗せられた外国の軍隊も参戦し呪術師狩りを始めるが殺されちゃう。非術師も死ぬ時に呪力を出すからね。よくわからんが慣らし終了。

・伏黒にとって血は繋がってないが姉の津美紀は大切な人だ。呪いのせいで寝たきりだった津美紀は実は昔の術師を蘇らせる為の器にされていたのが判明し、伏黒ショックの所を宿儺(すくな)が虎杖(いたどり)から伏黒に乗り移ったからさあ大変。宿儺の目的は伏黒の手で津美紀を殺させる事なんだ。大切な津美紀を。エグイぞ。

 

「大乱関ヶ原」2巻 宮下英樹

人間味があり過ぎる家康

・秀吉の2度に渡る朝鮮出兵「文禄・慶長の役」。しょうもない戦に駆り出された将兵たちの帰還に三成が尽力する裏で家康は戦力を温存(行かなくてすんだし)。「将兵らの帰還がもし失敗して内乱が勃発」した場合に備え人脈作りに励み、禁じられている大名同士の勝手な縁組「私婚」に手を出してしまう。

・これには大老衆・奉行衆が一斉に反発。家康は糾明の場で頭を下げねばならなくなる(死ぬほど嫌だった)。家康に因果を含める本多正信がいいコンビでいつも可笑しい。

・一方、苦労して日本に戻って来ても恩賞はなく不満の将兵ら(もう土地がないんだってば)。清正ら七将は前田利家じいちゃんの寿命が尽きた時を狙い、責任を三成に被せ糾弾すべく大阪城を占拠する。

・自ら山芋を栽培したり(あれは自分で食べるんでしょうね)、「治部殿降ろし」の流れに浮かれて部屋で舞ったり、冷や汗流しながら言い訳したりと可憐で人間味のある家康。自分が政権に居座り続けねば世を治める者はいないと本気で思ってる。決して天下を簒奪しようとか大それた事は考えてないのだ。今は。