akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画/「ダーウィンクラブ」③ 朱戸アオ(ネタバレ) あわわ潜入捜査ってテロに加担しなくちゃならない流れ

世界中でCEOと従業員の経済格差が千倍以上ある巨大企業に対して始まったテロ。

石井大良の後輩刑事宮本は殺害され、父を殺したと思われる男・佐藤もテロの末の火災で遺体となって発見される。

警察を辞め天木に接触した大良は一連の事件の背後に「ダーウィンクラブ」という組織があることを知る。

(朱戸アオ「ダーウィンクラブ」講談社モーニングで連載中/既刊3巻)

ダーウィンクラブ第3巻が4月に刊行されまして、表紙に描かれてるように、平良は運送会社「トロイ」に配達員として潜入しました。

天木が言うには、行って正しいと思う事をすればクラブの方からお前に近づいてくるって事でしたが・・・ザックリし過ぎてよくわかりませんな。

今の所わかっている事は、左腕に共通のマークがある事と変な会話を交わす、ってな事ぐらいで、やっぱメンバーのリストを手に入れる事が出来るのなら欲しいわよね。

さてさて、トロイの配達員として生き生きと働いてるように見える平良ですが・・・既にもう困った事態になってましてね・・・あたくし微笑みましたわ。

トロイ」って、働きたい時にアプリにログインすれば配送ルートや時間はアプリが管理してくれる、誰でも自由に好きな時に働けるってキャッチフレーズなんですが、ポイント制になってまして、時間通りに配達できないとポイントが付く!アプリのルートを通らなくてもポイントが付く!10ポイント溜まるとチェンジ(クビの事)!!というね。全然自由でも楽しくもないひでえ会社だったんですよー

 

「アプリは渋滞とか信号のタイミング把握してないし言う事聞いてたらもっと遅れちゃう」とまともな事を言う平良氏に対して、すべて「それがルールです」と答えるマネージャー

 

平良マネージャーのまったく噛み合わない会話を外で聞き耳を立てて笑っている男。

小川と名乗るこの男、平良に親切そうに話しかけてきまして、あやしいと思うんですけど平良は別に気づかないのか、オレの潜入捜査ちっとも始まらない、などとぼやく。

それがまた何ともおかしいのですが、コミュニケーションに齟齬が生じてたり、平良は発達障害の傾向があるのかもしれないですね。

刑事がホシを挙げるよりチキンを揚げるのに適性を感じちゃう韓国の映画のように、配達ランキング一位になってオレは向いてるかもしれないと言い出す平良氏。高津刑事は配達員になるつもりかとあきれます。

そんな時に、荷物を受け取ってアプリのスタートボタンを押した後に親が倒れたと知り困る同僚を見かねた平良は、自分がその荷物を運んでやると提案。

 

親が倒れたってアプリをスタートさせてから配達を中止すれば即アカウント停止なのです

血も涙もねえ会社

 

背後で微笑みながら見ていた小川が自分も手伝うと言い出し、無事に配達を終えると2人で飲みに行き意気投合しちゃう。

小川を怪しいなどと微塵も思わない風の平良は、彼に誘われるままに「ネクストファミリー教会」という何やら胡散臭い所へ。正しい事をすれば向こうから来るってこういう事ね。

でも、そこは、えーと、結婚相談所

驚きましたが、ある女性グループが相手の年収とか見れないんですか?と質問してるのですが、うちではお見せしてないと言う。なぜなら・・・

 

確かに

テレビの集団お見合い番組とか見ると男も女も一人の人物に人気が集中しちゃうよね

それ以外のやつは全員カップル誕生もしない

 

もし子供が10人欲しいのなら確実に20代の女性と結婚しなければいけないけど、2人だったら別に最も若い女性を選ぶ必要もない。若い女性がいいというのは、たくさん産んでも乳幼児死亡率が高かった頃の名残なのだ。大事なのは相手のスペックではなく、自分の優しさ、思いやり、気遣い、献身、あなた自身が愛のある人間である事なのです。

などとゆう、お言葉の素晴らしさでして、皆さもありなんと感化されてしまい、平良は女性からモテモテになるのでした。

一方、ニューヨークではがん治療薬を開発したバイオベンチャー企業を買収したべテリス製薬に対しての攻撃が始まっていました。

高津平良を尾行している男が入った店に小川がやって来た事を突き止めます。

 

結婚相談所に提出した平良のプロフィール

クラブの偽装団体として結婚相談所ってのは、各人の経歴がわかるからいい作戦である

 

やっぱ小川はクラブのメンバーやったね!しかも平良を推薦とな!?

結婚相談所でモテモテの平良はドキドキで小川を見張りますが、つい警察を辞めた後に借金を作っちゃってと口を滑らした事でモテ期はあっけなく終わります。

まあ女性は借金は一番嫌うからね。

すると小川から一緒に知り合いに会いにいかないかと誘われ、いよいよクラブに?と思ったら、行き先は喫茶店で待ってたのは弁護士でした。

 

平良氏はガチャ廃人

弁護士は初めて会った平良の借金のために借り換えを勧め書類作成も手伝ってくれると言うんで、相談料とか払えないと言うと、もしお礼がしたかったら誰か他の困っている人を助けてあげてねと言うのです。

しかも借り換えの書類を見た平良が長い文章が読めなくて戸惑うのを見て、学習障害じゃないかと指摘し、知り合いのクリニックで一回診てもらえばとか、治らないけど対処法を教えてくれるんじゃないかとか、文字を読むよりもスマホとかの読み上げだといいとか、とにかく親切に言ってくれます。

おまえは馬鹿なんだからと子供の頃先生に決めつけられた事などを思い出し、こんな風に人から助けられた事がない平良はビックリするのでした。

それと共に、小川が何か言い出そうとして言い出しかねているかのように平良は感じます。

 

クラブが求めるのは良い事であり良い人

なんかすごく正しい事を言ってるのに、同時にテロを起こし人を殺している矛盾

 

平良テロしなそうだから誘われないんじゃないかと言う高津

そっか、もっと現状を変える事に積極的に見えないとダメなのかな。

実はクラブの標的は「トロイ」社だけでなく、「トロイ」が提携している通販サイト大手「リレント」社でありました。「トロイ」が運ぶ荷物のほとんどが「リレント」の物なのです。

 

そして、佐藤田中の黒焦げ遺体を調べた結果、新たに見えた真実が!

 

 

なんかそんな気はした。

 

人の顔を覚えるのが物凄く得意なのに、文字を覚えるのは苦手で実務能力は非常に低い平良氏。よく警察官になれたわねえ。

執拗な性格で気になり始めるとその事ばかり考えてるとこも、変なこだわりが感じられやはり何か問題があるように思えますが、長い文章が苦手だから契約書を呼んでなくて、早速クビになりそうになってたのです(笑)

喫茶店で会った弁護士が結構こういう人がいて契約書を読んでないからカモられるんだと言ってたのが印象に残ります。

警察の高津や松井からサポートされての潜入、天木の言葉通りに近づいてくる男・小川。そして死んだ佐藤田中の遺体から持ち上がる疑惑。ついに接触に成功する平良氏。そこまでがじわじわと核心に近づいていく感じの展開でテンポよく大変面白いです。

しかしながらそう簡単にはいかんのですよ。

敵は一筋縄ではいかず、こっちの裏の裏を行く狡猾さでして、クラブに近づいた平良を待っていたのは恐るべき陰謀で、まるで敵の手のひらで踊らされたような結果となってしまうんです。

 

④巻の感想はコチラです

 

www.akirainhope.com