世界中の超巨大企業にテロを仕掛ける謎の組織「ダーウィンクラブ」。
クラブの人間に取り入り組織への潜入を目指す元警察官・石井大良(たいら)は言われるがまま爆弾を運んでしまう。
クラブに認められた大良の元に1枚のカードが届いた・・・・
➂巻の感想はコチラです↓
好むと好まざるとに関わらずテロの片棒を担がされてしまった石井大良ですが、もはや立ち止まることはできません。自責の念に駆られながらもう進むしかないと心は叫びます。ダーウィンクラブはこれまでもこれからもテロをやり続けるのですから(かつて大良の父を殺害したように)なんとしてもつぶさねばならぬと決意します。
飄々としてつかみどころがなくどうにも憎めないこの青年は、馬鹿のような振りをして心の奥底には怒りや悲しみが鬱積しています。
コレコレ、ダーウィンクラブのシンボルマーク。
このデザインがちょっとカッコいいよね。
大良をバックアップする公安部の高津刑事は手がかりを得るため世界のシンボルの専門家を訪ねたところダーウィンの系統樹の類ではないかと指摘されます。また秘密結社のメンバーがこういう焼き印や刺青を入れることがあると知ります。
日本で秘密結社と言えばフリーメイソンが有名ですが、海外では陰謀を働くというよりはまあ社交クラブや相互扶助団体のような意味合いが強いようです。しかしダーウィンクラブは単なる親睦団体ではありません。
さてその頃、大良はカードに指定された場所に赴き大型バスに乗り込みます。いよいよ潜入開始だわさ。
なんか怖っ!!いやもうバスの中は全員が頭から袋を被った異様な状況でして固唾を飲みます。大良も席に座って袋を被るように促されます。
結社の入会式というのは入会儀式が試練であることが多く、それは一度死んで生まれ変わるという意味を持つのですが、こりゃかなりヤバイ目に合いそうな予感。
会場に到着すると選抜試験があるが続けられない人はいつでも帰ってよいと言われフェードアウトしてく人が続出。さもありなん。
袋を被ったまま大勢の人間に見られてる雰囲気がするんですが、ダーウィンの種の起源が厳かに読み上げられる中で首に縄をかけられ「おまえの人生で最も隠しておきたい秘密を話せ!」などとどつかれたり「あいつを殴れ!」などと命令されたりします。ビビるわ~
以前ネクストファミリー教会なる結婚相談所で知り合った香取さんという女性が男に殴られ殴った男に憤慨した大良を「全員でそいつを殴れ!」との命令が出て大良は1人対大勢で大乱闘。なんかその場が滅茶苦茶になってしまいます。
そうして大勢に殴られ気を失い気づくとベッドで目を覚ました大良に小川が言います。
「あれでよかったんだ」
「合格だよ」
その後バスの行き先を突き止めた高津ですが、選抜試験が行われた場所は取り壊し寸前の廃ビルで既にもぬけの殻でした。
ってなわけで、狐につままれたような感じですが大良は合格しまして、香取さんも合格したと聞きます。でも香取さんは入会を迷ってるようです。
そりゃあ香取さんは単に婚活してるだけですから、いくら選ばれた特別な人と出会えるなどと言われても入会を迷うのは当然です。大良も不審に思われない程度に入らない方がいいと言ってやります。
でも先日の入会試験では袋を被っていたため誰なのかわかりませんが女性の声が「寝室に義父が・・」とか「中学の時中絶を・・」などと言っていたのを大良はなんとなく思い出してしまいます。
しかる後、小川が大良にオーダースーツを仕立ててくれるんです。
思えば小川は大良に本当によくしてくれたと思います。
小川に紹介された人たちからも入会祝いにしては豪儀すぎる高級時計をプレゼントされ遠慮しても「いいんだもらっとけ」と言われます。こわいこわい
自分たちも先輩たちからやってもらったのを返してるだけだから気にするなとも言われます。
高価なプレゼントには戸惑いますが、小川といい皆とても優しく大良を真に応援してくれてるように見えるんですよね。ああこうやって深みにはまっていくんだね。人間不信になりそうです。
まあのほほんとはしてられないわけでして、大良は高津に頼み警視庁の警察官関係者全員と主要OBの顔写真を覚えようとします。
フツーはこんなに覚えられませんが、大良はいわゆる学習障害で実務能力は低いのですが(よくぞ警察官になれたもんだ)人の顔を覚えるという事に関しては特殊な才能があるのです。
入会式は盛大らしいから抜群の記憶力で顔を覚えていれば警察の中での内通者がわかるかもしれません。
ところがところが!いざ入会式に行ってみると警察官だらけだったんですよこれが。
大良がいた北品川署の署長や直属の上司だった若松課長までいまして、ダーウィンクラブはまるで警察を狙って勧誘してるみたい。
しかも入会の儀式では押さえつけられて手首に例のシンボルマークを刻印されましてね。
怖いわねえ。
香取さんなんかショックで泣いてましたよ。
その香取さんですが入会をためらってましたが、若い女性ですので高価なドレスや時計を買ってもらい気持ちに変化があったようです。
実は彼女には普通の人とは違うことが・・
どうやら双子を産む家系らしいのですが、それが知れるとクラブで選ばれた者しかなれない上級会員のセレブ男性を紹介されるようになり最初は嬉しそうだったんですが、後に災いしてしまうんですよね。
いよいよダーウィンクラブに緊迫の潜入を果たし、この組織のシステムや思想が明らかになってきました。組織もさるもので警察のスパイではないかと大良を疑うのですが、宮本刑事の殺害に関連してる若松課長がなぜか大良をかばってくれます。
大良の戦いはこれからだぜ!うーん、早く次巻が読みたし!
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