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大人の漫画読み

映画/「エルヴィス」オースティン・バトラーなりきりステージに心拍数上がりまくり

あたくしエルヴィス・プレスリーのことは名前と顔しか知らなかったのですが・・・

わずかな知識と言えば、失礼ながら細身とは言えない体形の白いジャンプスーツ姿ですとか。

死去したとき42才の若さだったと知り驚きました。

50代くらいかと思ってた(ホントに失礼ねヽ(`Д´)ノプンプン)

あとエルヴィスの娘さんのリサ・マリーが一時マイケル・ジャクソンと結婚してたとかね。

バズ・ラーマン監督が好きなんで、まあなんとなく観に行ったんですが。

そうしたら、エルヴィス役のオースティン・バトラーがすげえカッコよくて~

2回見たんですけど、時間があればもう1回見てえな。

 

(「エルヴィス」バズ・ラーマン監督/アメリカ/2022年/159分)

☆エルヴィス・プレスリー キング・オブ・ロックンロール 

☆トム・パーカー大佐 骨の髄まで吸い尽くす妖怪マネージャー

 

オースティン・バトラー演じる若きエルヴィスがピンクスーツを着てステージに登場し、歌い出すやいなや彼の魅力に女の子たちが半狂乱。

キャー

キャー

(≧∇≦)

いや別に今見ればカッコいいパフォーマンスだけど。

腰の動きがアカンらしい。当時は。

キャー

でも彼女たちの気持ちがわかる。

オースティンがスゴイ熱量だしセクシーだし目が素敵なのよっ!

あたしも一緒に客席でキャーキャー言いたいナリよー

 

そんなエルヴィスに目をつけたのが、トム・ハンクス演じるパーカー大佐でありまして(最後までわかんなかったけど、なんで大佐と呼ばれてるのかな?)こいつがホントに肉たらしいヤな奴なんですよね。

彼は音楽の事はよくわからないけど、キャーキャー熱狂する女の子たちの姿を見て、これは金になる!と確信。エルヴィスのマネージャーとなり大々的に売り出します。

 

映画ではエルヴィスの音楽のルーツが描かれていました。

貧しかった子供時代、テネシー州メンフィスの黒人居住区に暮していたエルヴィスは、教会でゴスペルの洗礼を受け黒人の音楽を聴いて育ったのです。

ブラックミュージックに憧れ敬愛していたエルヴィスは、黒人のようなリズムと発音で歌うことができる白人でした。

これが当たった

白人のカントリーと黒人のブルースやリズムアンドブルースとかを融合させてロックンロールの神となった(たぶん)

エルヴィスが巻き起こしたムーブメントは物凄く画期的でしたが、何しろ当時のアメリカの黒人差別は深刻だったから、保守層から睨まれ、踊りがワイセツとか怒られる。

下半身を動かしたら即逮捕!つって、警官がステージの前で待機してる異様な事態。

今見るとなんてくだらないのかと思うけれど、もちろんエルヴィスは戦う。

 

前半はエルヴィスが一気にスターダムを駆け上がるワクワクする構成でして、アメリカの音楽シーンや文化も知れて楽しいんです。

歌と映像がめくるめくようで、50年代のエルヴィスの歌唱は全部オースティンが歌ってるってんだからすごいわね。

でも後半は大スターになったエルヴィスとパーカー大佐のすったもんだで観てるのがしんどいです。

パーカー大佐は今で言うグッズ販売も手掛けたり商売上手だけど、もう冒頭から胡散臭い人物に描かれています。

それに輪をかけてトム・ハンクスの猫なで声みたいな喋り方がキモイので詐欺師のように見えちゃう。

エルヴィスはなんで信じちゃったのかなもお。

海外公演がしたいのに経費がかかり過ぎると反対してたのは、実はトム・パーカーが偽名でアメリカ国籍もなかったから。

しかもエルヴィスの稼ぎの50%も搾取していたΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン

この人は信じられない。

俺を金を生み出す道具としか思ってないんだ。

と気づいた時には遅し。

経理を任せてた父親までパーカー大佐に組していて、チキショー、もう彼ナシではエルヴィスの会社も何もすべてが成り立たないのである。

まあ本人が浪費するのはいいとしても、いつも周りにいる取り巻きの人たちとかも金目当てなんですからスターというのは孤独なものですな。

それでがんじがらめにされ、夢も自由も奪われ、ホテルの一室に閉じこもり薬に依存。

大スターあるあるな状況ですが、ラスベガスのショーで体調不良なのに限界を超えてステージに立たせたのは本当にひどいと思いましたよ。

エルヴィスはマネージャーに殺されたと物議を醸すのは当然です。これじゃ死ぬわ。

薬の乱用と肥満してむくんだ顔に汗びっしょりで振り絞って歌う声だけは力強く悲しい。

 

エルヴィスが育ったのは典型的な父親不在の毒母家庭。

オヤジいるんだけど存在感ナッシング。

母親は息子離れが出来ず、自分の言いなりにならないと神様が許さないなどと言い怒りだす。

エルヴィスが機嫌を取るために「ママが欲しかったピンクのキャデラックを買ってやるから」とか言っても「そんなのいらない」と拗ねる。

キモイつ!!

母親とエルヴィスの関係性がキモカッタ。

ある意味、母親とは共依存関係にあったと思うんですが、母親が亡くなってしまってからは、パーカー大佐に依存してしまったんじゃないかな。

 

一言で申しまして、とても良かったです。

これはドキュメンタリー映画ではないので、事実と違う事や描かれていない事もあるようです。

しかし自分のようにエルヴィスを知らない世代が観ても十分に面白く、初心者がエルヴィスの人生をまるっと知れる入門編のようにもなっておりますぞ。観よっ。