akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画/「呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校」0巻 芥見下々

わたくしここ数年「週刊少年ジャンプ」はなんとなくコンビニで立ち読みしてたのですが、「呪術廻戦」はとても面白くてまたジャンプを毎週買うようになったのです。

0巻は現在連載中の「呪術廻戦」の前日譚です。

本編では名前だけで謎の特級の人だった乙骨憂太を主人公にした呪術高専2年生たちの物語です。

  

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        (芥見下々 「呪術廻戦東京都立呪術高等専門学校」0巻)

 

16歳の乙骨憂太は自分の死刑を望んでいました。

未成年を完全秘匿で死刑執行しようとかあり得ない状況に大人が陥るほど乙骨はヤバい少年でした。

彼は自分に憑く怨霊「里香」に怯え苦しんでたのです。

呪いに対抗できるのは同じ呪いだけ。

呪いを祓うために呪いを学ぶ学校「都立呪術高等専門学校」の教師・五条悟は乙骨を高専で預かる事にします。

高専に転入してきた乙骨のクラスメイトは本編でお馴染みの、禪院真希・狗巻棘・パンダの三名です。

真希と棘の紹介があったからパンダが何者なのか説明があるかと思えば、パンダはパンダだけでした。

一番欲しい説明がなかったとオドオドしてる乙骨。

一方、三名は思わず臨戦態勢を取るほどの凄まじい呪いが乙骨に憑いているのを見て愕然となります。

  

乙骨に憑いてる里香ちゃんというのは、6年前に不慮の事故で亡くなった少女で二人は結婚の約束をするほど仲良しだったのです。

そんな可愛い少女がなぜにグロテスクな特級過呪怨霊となってしまったのか。

「憂太と大人になったら結婚するんだあああ」てな感じで死後の肉体から抜け出した負の感情は強大な呪いとなり乙骨に取り憑いてしまったわけなんです。

いやー子供と言ったって女やね~

だから乙骨をいじめる奴には里香ちゃんの呪いが発動してしまい、乙骨の意志とは関係なく圧倒的な力で呪い殺されてしまいます。

その為本人は気弱ないじめられっ子だし素人なのに、乙骨は呪術師の階級では「特級」という凄いレベルにランク付けされちゃったのです。

呪いは人間の心から生まれる

恨み、嫉み、怨嗟、憎悪、そんな負の感情に毒されていると人はやがて壊れてしまいます。

辛酸、後悔、恥辱、なんかいっぱい出てくるんですけど~

思えばそんな人間の悪い心は日常のどこにだって潜んでいます。

浮世に流れ出た人間の負の感情が具現化し、意志や性格を持ち人の脅威となるのです。

呪いは人間の心が作り出すのだから一番怖いのは人間なんですよね。

最もそんな事普通の人は何も知らないし、普通に人生を生きてるだけです。

姿形も見えないまま日常と非日常を瓦解させる呪いに対して無力でしかありません。

その脅威に立ち向かうのが呪術師です。

呪術高専は呪術師を育成する機関であり、呪術師の活動拠点でもあります。

 認め、認められ、友との関わりの中で成長してゆく

呪術高専に通う彼らは正義の為に戦う選ばれた人たちなのかと言うと、そうでもないみたい。

だってこの子たちの口から正義とか聞いた事ない。

皆頑張ってるけど悩みも抱えてて、覚悟を持った者だけが生き残れるんだろうな。

名門の禪院家に生まれながら呪力を持たない為に落ちこぼれ扱いされる真希は、一級呪術師になって家族にほえずらかかせたいとか言うの。

呪力を持たないって事は呪いは見えないのよ。

それでも呪術師になろうとする根性、真希さんすごいよ。

とっても勝気で口が悪いけど、乙骨から「真希さんみたいに強くまっすぐ生きたいんだ」って言われちょっと赤面しちゃったり憎めない。

この漫画は女性キャラが生き生きしてていいのです。

あと狗巻棘が個人的に好きです。

棘は呪言師で彼の言霊は強力なだけに反動も大きいのね。

ダメージがすぐ喉にきちゃうからのど薬は必携。

強さと危うさをあわせ持ってるキャラが好きなのです。

あとパンダはただのパンダだけど、一番の常識人。

呪術は多種多様で呪術師の数だけ祓い方はあります。

そんな個性的な仲間に囲まれるうちに乙骨は「誰かと関わりたい。誰かに必要とされて生きててもいいって自信が欲しい」と強く思うようになります。

そして弱気で貧弱なだったのに、傷ついた仲間を助けようと単身戦えるようになるまで成長してくのです。

王道ですな~

夏油傑の野望

乙骨が仲間を大切に思うように夏油傑もまた仲間を家族のように愛しています。

しかしながら夏油が愛してるのは自分と同じ呪術師だけ。

夏油は百を超える一般人を呪殺し呪術高専を追放された最悪の呪詛師と言われています。

呪術を扱えない一般人を「猿」と侮蔑し、一般社会の秩序を守る為に呪術師が暗躍する今の世界に多大な不満を抱えています。

一般人は皆殺しにして呪術師だけの世界を作ろうという恐るべき選民思想の持主なのです。

 

この巻は本編の前振りというよりも、これはこれで独立した作品としても通用します。

本編を読んだ事がない人でも十分面白いと思うし、本編を読んだ人はなるほどこれはこういう事だったのかと理解が深まると思います。

今海外にいるという乙骨がこれからどうやって本編にからんでくるのか楽しみです。

乙骨に毒舌を吐く真希が早く見たい。

キャラクターに感情移入できて敵キャラさえも好きになっちゃう。