akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画/「人の息子」あのあやの

(あのあやの「人の息子」既刊1巻) 鈴木旭(31才・独身・漫画家)には3年前の雪の日に忘れられない思い出があった。 その頃子供好きの鈴木は保育士をしていたのだが、一人の園児の母親がいつまで待っても迎えに来なかったのである。 5才の男の子高嶺く…

漫画/「亜人」⑯ 桜井画門 

(桜井画門「亜人」16巻) 亜人はどう生まれたのか? 佐藤さんとの決着はつかないまま、舞台はいまだに入間基地である。 基地の内部は、永井くんが起こしたフラッド現象により大量のIBMが放出されてビックリなのに、嬉々として同調した佐藤さんのせいで、禍…

漫画/「血の轍」第8集 押見修造

(押見修造「血の轍」第8集) たぶん静子ママのセーラー服姿が表紙の第8集。 「血の轍」は中学2年の静一と母親の静子との母子関係を描いた作品で、母親はいわゆる毒親である。 母親は第①集で登場した当初は中学生の子がいるとは思えないほど若く可憐に描…

漫画/「夏目アラタの結婚」乃木坂太郎

(乃木坂太郎「夏目アラタの結婚」既刊2巻) 世の中には色んな形の結婚があると思うけど、ここに登場するのは獄中結婚でして、なんとヒロインは死刑囚なのだ。 たとえ死刑囚であっても婚姻の権利はあるのだが、死刑囚と結婚する人の心理ってフツーの人には…

映画/「泥の河」

懐かし映画をひとつ。 (「泥の河」1981年/小栗康平監督/105分) 原作は宮本輝さんの同名小説。 昭和31年の大阪で、川の側でうどん屋を営む家の男の子と対岸に繋がれた廓船に住む姉と弟との出会いと別れの物語だ。 最近家でチョイ古めの映画を好ん…

本/前髪の惣三郎(司馬遼太郎「新選組血風録」より)

(司馬遼太郎「新選組血風録」) 「新選組血風録」は司馬遼太郎さんが60年代に書いた傑作で新選組をテーマにした短編集だ。 各話は新選組に実在をしてた人や架空の人を主人公に据えた群像劇で、新選組に巻き起こるドラマに定番キャラの土方歳三や沖田総司…

映画/「彼らは生きていた」

新型コロナで映画館に行く事もなくなったけど、最後に映画館に行ったのはいつだったかしらと思い出してみる。 この映画を見た時は確かトイレットペーパーが店頭からなくなってしまったんだよね。 あの騒ぎは何だったのだろうか。 (「彼らは生きていた」/2…

漫画/「アマネギムナジウム」古屋兎丸

(古屋兎丸「アマネギムナジウム」既刊6巻) 球体関節人形は関節部が球体によって形成された人形で、自在なポーズを取らせる事ができるのが特徴だ。 何より驚くのは人形とは思えない極めて人間に近い精巧さとその美しさで、肌の質感から瞳から毛髪から人形の…

漫画/「ゴールデンカムイ」㉑ 野田サトル

(野田サトル「ゴールデンカムイ」21巻) ホロケウオシコニ 「オオカミに追いつく」 アシリパの母が夫であるウイルクに名付け、ウイルクがアシリパに教えた、三人だけしか知らないウイルクのもうひとつのアイヌ語の名前。 いったいこの名前がどう金塊の隠し…

漫画/「水は海に向かって流れる」田島列島

(田島列島「水は海に向かって流れる」既刊2巻) 2014年に「モーニング」に彗星のように現れた(そう見えたんデス)田島列島の「子供はわかってあげない」はいい作品で映画化もされたようだけど、まずまず寡作でしてね。 次は何を描くのかな?と思ってるう…