akのもろもろの話

大人の漫画読み

漫画

漫画/「望郷太郎」⑦ 山田芳裕(ネタバレ)貨幣を制する者が天下を制す

大寒波に襲われた地球で、人工冬眠から五百年後に目覚めてみれば、世界は滅亡してた・・・イラクから祖国日本へ、シベリア鉄道を歩いて目指す元商社マン舞鶴太郎。 五百年後の世界に生き残った男が、人類がたどって来た遥かな旅路を目撃する、奇跡体験!アン…

漫画/「狼の口 ヴォルフスムント」久慈光久 トラウマ級の人が死ぬ漫画

「狼の口 ヴォルフスムント」は2009年~2016年まで連載された、中世のスイスを舞台にした漫画。 残虐な拷問シーンや最初から最後まで延々と人がムッコロされ続ける、心が弱い人は読んではいけない作品。 (久慈光久「狼の口ヴォルフスムント」全8巻…

漫画/「ここは今から倫理です。」⑦ (ネタバレ)天瀬シオリ ついに人類永遠の課題、なぜ、人を殺してはいけないのか・・・?

「ここは今から倫理です。」は、倫理を教える高柳先生が、今時の高校生たちのお悩みに独特のスタンスで向かい合う教師物語。 (天瀬シオリ「ここは今から倫理です。」7巻) 毎日毎日暑いですが、6月に発売した「ここは今から倫理です。」7巻の感想を、今…

漫画/「バジリスク ~甲賀忍法帖~」原作山田風太郎 漫画せがわまさき 作中最強は誰だ!?

「バジリスク~甲賀忍法帖~」は2003年から2004年に連載された漫画 原作は1958年に発表された山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」 (せがわまさき「バジリスク甲賀忍法帖」全5巻) 山田風太郎は戦後日本を代表する流行作家ですが、思うにこの方の小…

漫画/「日出処の天子」山岸涼子 人とは元々ひとりなのです。人は皆さびしい魂を抱えて生きているのです。

「日出処の天子」は山岸涼子が1980年~1984年にかけて月刊「LaLa」で連載してた名作漫画。 日本人で知らない人はいない聖徳太子が主人公。 1983年の講談社漫画賞少女マンガ部門を授賞。 初めにざっくりなあらすじを書きますと、厩戸王子(うまや…

漫画/「乾と巽ーザバイカル戦記―」➆ 安彦良和 毎日暑いからシベリアが舞台の漫画でも読んで涼んでみない?

「乾と巽ーザバイカル戦記ー」はアフタヌーンで連載中の戦争漫画 大正時代の知られざる戦争「シベリア出兵史」を描いています 乾は帝国陸軍砲兵、巽は新聞記者 著者はあの安彦良和 (安彦良和「乾と巽ザバイカル戦記」7巻/アフタヌーンにて連載) 毎日毎日…

漫画/「デビルズライン」花田稜 ダークファンタジーってか少女漫画的萌えに間違いなく胸キュンするよ

「デビルズライン」は「月刊モーニングtwo」で2013年から2019年まで連載されてた漫画。 タイトルと表紙がカッコいいけど、中身は恋愛要素がメインテーマの作品。 (花田稜「デビルズライン」全14巻) この作品の舞台は吸血欲を持った鬼がひっそり…

漫画/「ダーウィン事変」④ うめざわしゅん(ネタバレ)チャーリーによもやまさかの新事実が!?

半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは、人間の養父母の元でヒトとして育てられ、15年後、高校に入学することに。 しかしチャーリーをテロに引っ張り出そうとするALA、彼を忌避する周辺住民、FBIなどが入り乱れる中、チャーリーの家…

漫画/「血の轍」第13集 押見修造(ネタバレ) マジで鬱になるから読みたくないんだが

「ありがとう。ひとごろしになってくれて」そう言ったママの首を思わず法廷で締めようとした、衝撃の少年審判から約20年後・・・・ (押見修造「血の轍」第13集/小学館ビックコミックスペリオ―ル連載) 遅ればせながら4月に発売した「血の轍」第13集の…

漫画/「恋とゲバルト」細野不二彦 恋とか革命とか全共闘とか

ゲバルトとは、学生運動で、暴力的手段をもってする闘争の事。 60年代の若者の恋と革命を描いた作品です。 (細野不二彦「恋とゲバルト」講談社コミックDAYSにて連載/既刊3巻) 全共闘、来る!!!って、ブチャラティが来る!みたいに言われてもねえ。 日…

漫画/「後ハッピーマニア」③ 安野モヨコ(ネタバレ) 結婚=ハッピーじゃなかった女たち

90年代を席巻した伝説の漫画「ハッピーマニア」の後日談。 45才になったカヨコ(旧姓シゲタ)が、自分にぞっこんだったはずのタカハシから「好きな人ができた」と突然離婚を切り出されてしまう。 躊躇しながらもついに離婚届を受け取ったカヨコ。 ウーン…

漫画/「健康で文化的な最低限度の生活」柏木ハルコ つらすぎるな生活保護 日本は貧困に目を背けてる

またためになる漫画を読んでしまった。 この漫画はズバリ「生活保護」をテーマにしています。 大学を出て福祉事務所生活課に配属されたヒロインが生活保護の新人ケースワーカーとして悪戦苦闘する物語でして、不正受給する奴なんかをビシビシ取り締まる話な…

漫画/「ダーウィンクラブ」③ 朱戸アオ(ネタバレ) あわわ潜入捜査ってテロに加担しなくちゃならない流れ

世界中でCEOと従業員の経済格差が千倍以上ある巨大企業に対して始まったテロ。 石井大良の後輩刑事宮本は殺害され、父を殺したと思われる男・佐藤もテロの末の火災で遺体となって発見される。 警察を辞め天木に接触した大良は一連の事件の背後に「ダーウィン…

漫画/「モリノアサガオ」郷田マモラ 死刑制度はなぜ日本で支持されるのか

この作品は2004年~2007年まで漫画アクションで連載されてたのですが、日本の死刑制度がテーマとなっています。 ハッキリ言ってあたくし、こういう社会派ムードが漂う漫画作品は好まないので敬遠してたのですが、なんとなく読んでみたらこれはこれで…

漫画/「ゴールデンカムイ」㉙ 野田サトル(ネタバレ)アシㇼパさんとうとう俺たちで金塊を見つけちまったね

週刊ヤングジャンプでの連載が完結しまして、今全話を無料配信してるんですが、ゴールデンカムイはコミックス派を貫こうと思って見てないです。 加えて実写映画化やらゴールデンカムイ展の開催やらと、話題に事欠きませんな。 実写化はどうかと思うんですけ…

漫画/「違国日記」ヤマシタトモコ

「違国日記」は、両親を交通事故で失った中学3年生の朝(あさ)と彼女を引き取った叔母の槙生(まきお)の物語です。 両親の葬儀の場で、残された朝の養育に親戚一同が揉め(よくありそうな話)たらい回しにされそうになるのを見かねた槙生が彼女を引き取っ…

漫画/「望郷太郎」⑥ 山田芳裕

人口冬眠から舞鶴太郎が目覚めたのは5百年後の地球だった。未曽有の大寒波により地球は壊滅。高度な文明が滅びた後の人々は原始的な暮らしをしていた。イラクから日本まで徒歩で目指す男が目撃するグレイトジャーニー。 (山田芳裕「望郷太郎」6巻) 5百…

漫画/「消えた初恋」⑧ 作画アルコ・ 原作ひねくれ渡

好きな女の子から消しゴムを借りたら前の席の男子の名が書いてあってそれを庇った事から始まる勘違いコメディー。彼女のために愛のキューピッドになろうとしたのに、なんでか加速度的に高まってしまうBL感。青木と井田のピュアな恋の行方は? (アルコ画/ひ…

漫画/「結ばる焼け跡」天瀬シオリ

終戦直後の東京・上野。 戦火から辛くも生き残った者たちは大きな傷を抱えながら必死にもがいていた。 焦土から立ち上がる、戦後再生物語。 (天瀬シオリ「結ばる焼け跡」全3巻) ちっとも新しくないと思うのに今の時代に読むと逆に新鮮な気がする戦後漫画…

漫画/「扇島歳時記」高浜寛

時は幕末、日本と異国の文化が交錯する長崎の出島にて、廓に生まれた少女「たまを」の儚い物語 (高浜寛「扇島歳時記」既刊3巻) がんばってお客をとって早く借金を返してしまおうな わたくし幕末は大好物でありますが、基本的には歴史上実在した人物の物語…

漫画/「アンダーニンジャ」⑦ 花沢健吾

戦後最大のタブー!忍者は秘密裏に存在している。その数なんと20万人!だが一部の精鋭忍者が国家レベルの争いに暗躍する一方で、末端忍者は仕事にありつけない者も多かった。その一人、雲隠九郎もニート同然の暮らしをしていた。 (花沢健吾「アンダーニン…

漫画/「ひとりでしにたい」④ カレー沢薫

悠々自適の老後を過ごしていたはずの伯母のまさかの孤独死に衝撃を受けた山口鳴海(35才独身)は、自分の老後を真剣に考え始める。大事なのは婚活より終活だったんだ!! (カレー沢薫「ひとりでしにたい」第4巻) 毎回面白くてためになるけど今回は投資と…

漫画/「不滅のあなたへ」⑰ 大今良時

不死身の体を持ちどんな姿にもなれどんな物でも作り出す不思議な力を持った存在「フシ」と、彼を観察する者や巡り合った人たちとの出会いと別れの物語。 (大今良時「不滅のあなたへ」17巻) ノッカーにも愛の概念があったのか?? 2016年から週刊少年…

漫画/「ダーウィン・クラブ」朱戸アオ

「CEOと従業員の経済格差が千倍以上の巨大企業」へのテロ行為が始まった。その犯行時に警察官・石井大良(たいら)はかつて父親を殺した男を発見する。 (朱戸アオ「ダーウィンクラブ」既刊2巻) 格差が生むテロと陰謀 朱戸アオさんと言えば、ペストによるア…

漫画/「チェーザレ 破壊の創造者」惣領冬実

ルネサンス期に活躍したイタリアの英雄チェーザレ・ボルジア。歴史の闇に埋もれた真実を調べるため、ダンテ学者の原基晶を監修者に迎え、本邦未訳のG・サチェルドーテ版の伝記を翻訳しながら精査を重ね描かれた歴史漫画。 (惣領冬実「チェーザレ破壊の創造…

漫画/「波よ聞いてくれ」⑨ 沙村広明

鼓田ミナレ(27才)は札幌のスープカレー屋「ボイジャー」の店員だが、ひょんな事から地元FM局「藻岩山ラジオ」でラジオパーソナリティーとしての道を歩み始めた。 晩秋に起こった北海道胆振東部地震の夜も一人で生放送を務め、ミナレは着実に成長を遂げて…

漫画/「サターンリターン」⑥(ネタバレ) 鳥飼茜

東京に戻った書けない小説家・加治理津子。 夫との生活の中で彼女の人格はどんどん変わって行く。 こんな夫婦関係はもう嫌じゃ! (鳥飼茜「サターンリターン」6巻) 遅ればせながら、11月30日に発売したサターンリターン第6巻の感想をなんとなく書い…

漫画/「ヴラド・ドラクラ」大窪晶与

吸血鬼ドラキュラのモデルとなったワラキア公・ヴラド3世の実像に迫る歴史ロマン! (大窪晶与「ヴラド・ドラクラ」既刊5巻) さて今回取り上げますのは、ハルタで連載している「ヴラド・ドラクラ」。 主人公は、15世紀のワラキオ公国の君主ヴラド3世(…

漫画/「父の暦」谷口ジロー

君は谷口ジローを知ってるか!?知ってるよね! (谷口ジロー「父の暦」) 谷口ジローを体験しよう! 12月の初め、世田谷文学館で開催されてる「描くひと 谷口ジロー展」を見に行きましたのよ。 これがもう超絶よくて、やっぱ谷口ジローったら凄すぎるウ~…

漫画/「乾と巽―ザバイカル戦記―」安彦良和

シベリア出兵を描く渾身の戦争漫画 (安彦良和「乾と巽ーザバイカル戦記―」既刊6巻) 安彦良和と言ったらやっぱガンダムだけど アニメでの功労、そして漫画家としてのご活躍、すべてにおいてレジェンドな安彦良和先生。 そんな彼が”最後の長編連載作品”と銘…